脳に効く!果物はストレス解消
ミネラルとともに、タンパク質の合成に欠かせないビタミンは、野菜よりも果物に豊富に含まれています。
ビタミンは全部で13種類あり、それぞれに異なる働きをするので、すべての種類が身体作りに必須。
しかも、体内で作り出せないものも多く、食べ物から摂取するしかありません。
江戸時代に多くの死者を出した「脚気」はビタミンB1不足が原因ですし、船乗りたちに恐れられていた「壊血病」は、ビタミンC不足が原因。
死に直結するほど深刻な事態なのです。
果物のなかに含まれるビタミン、酵素、ポリフェノールには、身体が錆びるのを防ぐ「抗酸化力」も備わっています。
ビタミンCや植物特有の酵素などは、人間の体内では作り出せない栄養素なので、食べ物で補う必要があります。
果物に多く含まれるビタミンCは、私たちの身体のなかで、脳と「副腎」という臓器にとくに多く使われています。
脳にビタミンCが多く必要なのは、「活性酸素対策」です。
活性酸素とは、ほかの物質を酸化させる力が強い酸素のこと。
タンパク質を変質させて、老化を促進させる原因になります。
果物に含まれるビタミンCや酵素、ポリフェノールなどの抗酸化物質は、活性酸素によって細胞が酸化するのを防ぐ力があり、この力が「抗酸化力」と呼ばれています。
脳もタンパク質でできているので、抗酸化力の高いビタミンCなどによって、脳が活性酸素で酸化するのを防いでいるわけです。
一方、副腎は「人類がストレスに耐えるために作られた」ともいわれている臓器。
ストレスを感じると、副腎がアドレナリンやコルチゾ―ルというストレスに対抗するホルモンを作って、精神状態をコントロールします。
副腎がうまく働かないとストレスに対処しきれず、情緒不安定に傾きやすいのです。
実際、精神疾患を抱える患者さんには、副腎の状態が悪い人が多く、副腎と精神疾患の関係についても研究が進んでいます。
ビタミンCは、副腎を働かせるのに重要な働きを担っていて、副腎の治療では、ビタミンCが処方されたり、点滴で補われたりしています。
脳と心の健康に、これほど欠かせないビタミンCは、体内では作り出すことができません。
ビタミンCは積極的に摂取したい栄養素です。
また、果物には体内のpH値を正常に整える働きもあります。
pH値とは、酸性とアルカリ性のバランスのことを指します。
人間の身体は、弱アルカリ性に保たれているほうが調子が良く、pH値が乱れると、栄養を合成する化学反応が鈍くなって身体や脳が作られるのに支障が出たり、身体からミネラルが抜け出して疲れやすくなったり、貧血になったり、睡眠障害を引き起こしたり、イライラしたりと、身体にも心にもさまざまな症状が現れます。
pH値が乱れると、細胞が酸化し、老化が進みやすいともいわれています。
体内のpH値は、たった0.05差で栄養を合成する化学反応が鈍くなってしまいます。
体内のpH値は、酸性とアルカリ性の食べ物をバランスよく食べることで整えられていくので、どちらもまんべんなく食べることが重要です。
酸性の食べ物には、肉、魚、卵など動物性のものが多く、果物、野菜、海藻などの植物性の食べ物はアルカリ性が多くなっています。
現代の食生活は、酸性食品を多く摂りがちですから、果物と野菜をしっかり食べてpH値を正常に整えることは、アンチエイジングの強い味方になります。
果物には、糖質の一種である「果糖」が含まれていることから、最近では、生活習慣病や肥満、身体の糖化(老化)を心配して果物を食べないよう心がけている人が増えています。
近年、日本人の果物の摂取量は減少していて、1日に1回も果物を食べない日が増えているという統計が出ているそうです。
それなのに生活習慣病が相変わらず多いということは、果物に原因があるわけではなく、果糖が多く含まれるジュースや菓子が問題だと考えられます。
ジュースや菓子には、果物のように抗酸化力のある成分は入っていませんから、これらをたくさん食べることで、果糖の過剰摂取になってしまうのです。
果物は、ビタミンC以外にも抗酸化力を持ったさまざまな栄養素が同時に摂れるうえ、pH値も整えてくれます。
身体だけでなく、脳が酸化しないように守ってくれるのです。
「栄養で人生は変わる より」
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副腎が疲れている人に圧倒的な足りない栄養素は、ビタミンB群になります。
ビタミンB群は、抗ストレスホルモンを合成するときに必要な栄養素です。
そのため、ストレスが多く抗ストレスホルモンを大量に必要とする人などは、体内のビタミンB群が不足しがちになります。
その結果、抗ストレスホルモンが十分につくれなくなり、副腎がますます疲れてしまうのです。
また、ビタミンB群は、体を動かすエネルギーをつくりだすためにも必要な栄養素。
私たちの体を構成している細胞には、ミトコンドリアというエネルギー生成工場があり、摂取した食べ物を燃焼させて、「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギー物質をつくっています。
このATPをつくり出す過程で必要なのがビタミンB群です。
ビタミンB群が不足すると、ミトコンドリアでATPが十分につくれなくなる。
ATPが足りなくなると、体がだるくて疲れが取れなくなったり、頭の回転が悪くなってきたりします。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ほとんどのビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
B群は協力しあっていますから、どれが欠けても疲れやすくなります。
したがって一緒にとるのが効果的です。
ビタミンB12について?
http://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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