交感神経と副交感神経
私たちの身体には、手足を動かす運動神経とは別に、さまざまな臓器の働きを調節する自律神経という神経があります。
自律神経はいろいろなところで働いていますが、意志と関係なく活動するので、私たちがその活動を意識することはほとんどありません。
分かりやすい例は目の瞳孔の拡がり方です。
目の瞳孔が周囲の明るさに応じて大きさを変えることはよく知られていますが、私たちはそれを意識してやっているわけではありません。
これは、網膜に当たる光の量を感知した自律神経が、瞳孔のまわりにある筋肉を刺激して拡大・縮小させているのです。
また、美味しいものを見ると自然と口の中に唾液が出てきますが、これも自律神経が唾液腺を刺激して分泌させているのです。
自律神経には交感神経と副交感神経という二つのものがあり、すべての臓器に両方の自律神経が結合していますが、臓器の働きに対する影響は正反対です。
すなわち、ある臓器が交感神経の刺激で活発に働くとすると、副交感神経の刺激はその臓器の働きを抑制するのです。
臓器によっては副交感神経によって活発に働き、交感神経によって抑制されるものもあります。
どちらの自律神経で活発に働くかは臓器によって異なりますが、ある傾向が知られています。
交感神経は“戦いのときに活動する神経”と言われており、交感神経が興奮すると物がよく見えるように瞳孔は開き、戦闘に備えて心臓は激しく脈打ち、出血を減らすため皮膚への血流は抑えられ(表皮毛細血管の収縮)、毛は逆立ち(立毛筋の収縮)、胃や腸の働きは止まります。
それに対して副交感神経は“平和でゆったりとした気分のときに活動する神経”で、副交感神経が興奮すると瞳孔は狭まって光の刺激を遮り、心臓はゆっくりと脈打ち、皮膚に血液が行きわたり、胃や腸は活発に働きます。
ストレスを感じると、それを克服するために交感神経が活動し、血圧は上がり、血色が悪くなって肌は荒れ、消化不良を起こします。
穏やかな気持ちで暮らしていると、副交感神経が活動して、血圧は上がらず、肌はきれいになり、食べ物もよく消化されます。
こうしたことが毎日続くとしたら、どちらが身体に良いかは明らかです。
「老化と脳科学 より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。
ビタミンB12について?
http://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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