清潔すぎる人はボロボロの身体になる
巷には抗菌グッズ、除菌グッズがあふれています。
除菌効果の高い洗剤やせっけん、ウエットティッシュ、便座クリーナーなどから、まな板やフキン、テーブル用の除菌スプレーなどキッチン用品まで、じつにさまざまな商品が出回っています。
なかにはパソコングッズや文房具など、抗菌の必要性があるのかどうかもわからないものまであります。
清潔に気を遣うのはかまいませんが、最近では清潔にこだわりすぎる、いわゆる「潔癖症」の人が増えているようです。
テレビを観ていても、自身の潔癖症をカミングアウトする芸能人がたくさんいるのにはほんとに驚かされます。
電車のつり革が気持ち悪くて触れない……。
公衆トイレが使えない……。
図書館の本が触れない……。
なかには手をきれいにしたいがために何度も抗菌せっけんで手を洗ったあげく、アルコールスプレーで除菌をする人もいます。
インフルエンザの流行期や夏場の食中毒が気になる時期になると、テレビ番組やコマーシャルでしきりに除菌の大切さを訴えはじめますから、多くの人はそうした情報を耳にすると、必要以上に菌が怖いと思ってしまうのかもしれません。
しかし、実際には衛生環境の整った日本では、そこまで除菌・抗菌に神経質になる必要はどこにもないのです。
風邪予防や食中毒の防止のためにも、「適度に」衛生的なのは確かに好ましいことですが、「過度に」除菌・抗菌をすることは身体が維持しているバランスにとって、逆にマイナスでしかありません。
清潔好きの人は「菌=悪いもの」と考えがちですが、それは大きなまちがいです。
よく善玉菌などという言葉を聞くように、人間の身体になくてはならない菌もたくさんあるのです。
人間の身体には「常在菌」といわれる微生物がたくさん棲みついています。
特にたくさんいるのは腸内ですが、身体の表面の皮膚にも表皮ブドウ球菌をはじめ、約1兆個、10種類あまりの常在菌がいます。
これらの常在菌がバランスよく繁殖していることが、肌のバリア機能を維持するためには欠かせません。
しかし、前述のように手を洗いすぎて常在菌まで失われてしまうと、肌のバリア機能は壊れてしまい、ひどい肌荒れを起こしてしまいます。
薬用せっけんや除菌アルコールの乱用は、肌を清潔にするどころか、荒れた角質層の隙間に悪玉菌を繁殖することになるため、かえって不潔になってしまうこともあるのです。
また最近では、こうした度を越した潔癖が健康にまで害を及ぼしているケースも多く報告されています。
耳にしたことがある人もいるかもしれません。
清潔すぎる環境で育った子どもはアレルギーを起こしやすく、風邪を引きやすい大人になる可能性があります。
免疫学では衛生仮説と呼ばれている考えですが、無菌状態に近い環境によって免疫の基礎となる機能を鍛えることができずに、弱体化させてしまうのです。
子どものうちに適度に菌と接触できる環境にあれば、私たちの身体は鍛えられ、自然と抵抗力が身につきます。
子どもの頃の衛生環境が適切だったかどうかが、大人になった後の健康にまで大きく影響するのです。
すべての菌を「汚い」「不潔」と排除しようとするのではなく、少しおおらかな気持ちで菌と“共存”してみることが最高の健康状態を維持するためには必要なのです。
「免疫力をあなどるな! より」
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私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
脳を酷使するときにも、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
さらに、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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