脳の寿命も延ばせる!

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脳の寿命も延ばせる!

 

肌に小さな傷ができたとき、放っておいても塞がって自然に治っていきます。

皮膚の細胞が再生するおかげです。

これに対して。脳の細胞は減っていくだけで、一度死んでしまえば再生できないと言われてきました。

老化で委縮するにつれ、脳の働きは衰えていく一方だと考えられていたのです。

 

ところがごく最近、こうした定説を覆す研究結果が発表されるようになりました。

たとえば成人の脳にも、自己複製力を持つ神経幹細胞が存在することがわかってきました。

 

イタリアのバヴィア大学とトリノ大学の研究グループも、興味深い論文を発表しています。

彼らは、マウスから採取した脳の神経細胞(ニューロン)を、ラットに移植しました。

どちらもネズミですが、ラットの寿命はマウスの2倍です。

 

すると、移植された神経細胞は本来のマウスの寿命を超え、ラットの寿命が尽きるまで生きて活動していたのです。

この結果は、人間においても身体の寿命が延びている現状の中で、新たに適切な対応を取れば脳細胞の寿命が延びる可能性を示唆しています。

 

 

脳の研究には、解明できていない部分がたくさんあります。

これは逆に言えば、脳の寿命を延ばせる余地があることを意味します。

脳の寿命も身体と同じように、健康な働きを維持したまま延ばせるし、日常生活の心がけや知的な活動によって活性化することが可能なのです。

 

できれば脳の働きが衰えたり認知症になったりせず、身体と脳の働きにギャップを生じさせずに人生を送るほうが幸せです。

そうやって脳の健康寿命をできるだけ延ばす方法を探ることが、ここでの目的です

 

 

■人間の脳は奇跡の臓器

 

心臓や肝臓の病気については、動物実験が可能です。

今はパーキンソン病でも、動物で再現できるようになりました。

 

しかし、脳に関わる病気、つまりアルツハイマー病やうつ病統合失調症は、満足のゆく動物モデルができていません。

これらの病気は脳の大脳皮質に由来しますが、人間のように発達した大脳皮質を、人間以外の動物は持っていないからです。

 

 

人間に特有で、もっともかけがえのない組織こそ、脳です

人間がこのように知的で素晴らしい存在になった理由は、脳が発達したから以外の何物でもありません。

解剖の実習で始めて脳に接したとき、人間の尊厳を感じ、言葉で言い表せない敬虔(けいけん)な思いに捉われたことを、いまでもよく覚えています。

 

脳の働きが単純で、簡単に解明できるくらいなら、われわれ人間はこれほど複雑な生き物になっていません。

宇宙の果てを考えると気が遠くなりますが、宇宙の真逆が脳だと私は考えています。

人間の脳は、そのくらい奥が深い。

まさに奇跡の臓器です。

「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法 より」

 

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記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。

その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。

 

脳が老化し、萎縮してしまうアルツハイマーとの関係はとくに深く、アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。

アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。

同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。

通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。

 

レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。

とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。

血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。

これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。

そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。

 

また、脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。

B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。

糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。

また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

ビタミンB12について?

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