いつまでも20代のような「血流力」を保つためには?

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いつまでも20代のような「血流力」を保つためには?

 

最近、「人生100年時代」という話をよく聞きますが、個人的には全くそう思いません。

 

1日の外来で、90代の患者さんは何人か診察しますが、100歳以上はほとんどいません。

今のところは、未来に実現するかもしれない夢物語といったところでしょう。

 

仮に実現したとしても、その中に「100歳まで健康でいられる人」はどれくらいいるのでしょうか。

ただ長く生きればよいというものではないと思います。

 

 

カナダ、アメリカ、イギリスの医学の発展に多大な貢献をしたウイリアム・オスラー博士は「人は血管とともに老いる」という言葉を残しました。

 

年齢を重ねると、私たちの「血管」には、どのような変化が起きるのでしょうか。

血管年齢に差がつき始めるのは、大体70~80代だと感じます。

ただ、この年代の患者さんは、本当に個人差があります。

そのため、カテーテル手術ができるかどうかは、本人の認知機能や歩行距離など身体活動の度合い、血管の状態、その他に病気があるかなどから、総合的に判断します。

 

一般的に、加齢とともに血管は硬くなり、血圧は上昇していきます

血管の硬さの指標や検査の結果も、年齢とともに右肩上がりに上昇します。

 

そう言われると、「やはり、血管の老化を止めることはできないのだろうか」と感じる方もいるかもしれません。

 

ですが、実は70代で、20代と同様の血流力、血圧、血管のしなやかさを保っている人もいるのです。

 

2017年に発表された論文によると、ある集団の生活習慣や病気などの要因を調べて、一定期間観察したところ、50歳以上の男女のうち、17.7%の人は血圧が正常で、血管の硬さも20代と変わりがありませんでした。

 

ただし、50代で20代と同じレベルの人は30.3%でしたが、60代では7.4%に減少し、70代以上ではわずかに1%でした。

 

70代以上で、20代のような血管を維持するのは、非常に難しいのです。

 

では、どうすればいいのでしょうか?

アメリカの心臓協会は、7つの簡単な生活習慣を提唱しています。

 

 

・体によい食事

・運動をして活動的になる

・体重を減らす

・適正血圧に保つ

コレステロールをコントロールする

・血糖値を減らす

・禁煙する

 

 

「そんなことはわかっているよ」という声が聞こえてきそうです。

 

ですが、例えば「体によい食事」と聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか?

「糖質を全くとらない」「お酒を飲まない」「お肉は食べない」……。

 

このように、テレビや雑誌で見た食事術を、自己流に実践していませんか?

 

血管年齢を左右する、「体重」「血圧」「コレステロール」「血糖値」は、正しい食事術で決まります

「『血流』をよくする 最高の習慣 より」

 

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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。

たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。

LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。

 

でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?

それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。

LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。

ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。

それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。

 

この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。

ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。

ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。

心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。

この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。

そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。

 

それはビタミンBです。

ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。

ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。

体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。

B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

また、ビタミンBは8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

 

ビタミンB12について?

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