Q.ポテチは「血流」に悪い?
A.血圧は上がらないけど、体重は増える
「ポテトチップスが体によい」と考えている人はあまりいないでしょう。
しかし、ポテトチップスの意外な一面が明らかになったのです。
2016年に発表された、アメリカの医療従事者を対象とした研究では、ポテトを「焼く」「煮る」「マッシュポテト」「フライドポテト」「ポテトチップス」に分けて、高血圧の発症と関連を調べています。
その結果、ポテトチップス以外はすべて、週4回以上食べる人は、月に1回以下の人と比べて、高血圧を発症するリスクが上がりました。
しかし、なぜかポテトチップスだけは、リスクを上げなかったのです。
これは、ポテトチップス派の大勝利といってよいのではないでしょうか!?
しかし、安心はできません。
2014年に発表された、同じくアメリカの医療従事者を対象にした研究によると、長期の体重増加につながる生活習慣の第1位は、ポテトチップスでした。
体重増加や肥満による糖尿病は、血流力を下げる大きな原因となりますので、やはり食べすぎはよくないようです。
では、なぜポテトチップスだけが、高血圧を発症するリスクを上げなかったのでしょうか?
「油」にポイントがあると考えています。
アメリカでは、コレステロールを上げるような、健康上のリスクに関わる油の使用が禁止されています。
日本では、そのあたりの規制がまだゆるいので、ポテトチップスは控えたほうがよいかもしれません。
ただ、ポテトチップス自体は、血圧を下げる働きをするカリウムが豊富なため、高血圧などに効果があるのではないかと期待され、アメリカでは多くの州で、政府スポンサーのフードプログラムに組み込まれたようです。
しかし、実際は高血圧との関連が指摘され、重大な問題となっています。
原因としては、ポテトの高いGL値が指摘されています。
GL値とは、GI値の炭水化物の重さをかけた値です。
「血糖値をどれくらい上昇させるか」を示す指標として使われます。
以前は、指標として、GI値がよく使われていました。
55以下が低い、56~69が中等度、70以上が高いとしています。
GI値は炭水化物を50グラムとったときの血糖値の上がり具合を示します。
そのため、炭水化物が少ない食品では、あまり参考にならないという問題がありました。
例えばトマトの場合、1.2キログラムほど(炭水化物50グラムを含む量として)食べたときの値ということになり、現実的ではありません。
そこで、炭水化物の標準的な摂取量に、GI値を組み合わせて生まれたのが、GL値です。
10以下が低い、11~19が中等度、20以上が高いとしています。
ポテトは、このGL値が高く、食後に血糖値が大きく上昇するといわれているのです。
この血糖値の上昇が、血管内皮細胞の機能の低下など、さまざまな症状を引き起こし、高血圧に関連していると考えられます。
また、GI値やGL値が高い食品は、糖質を多く含むため、食べ過ぎると太りやすくなるでしょう。
高GL、高GIの食品の他に、たくさん食べると体重が増える食品、食べる量を増やすと体重が減る食品には、次のようなものがあります。
(体重を増やす食品)
・ポテト、フライドポテト
・加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージ、ウインナーなど)
・加工されていない肉
・加糖飲料、フルーツジュース(果汁100%も含む)
・白い炭水化物(白米やうどん、普通のパン)
(体重を減らす食品)
・野菜
・ナッツ類
・全粒穀物(玄米、コーン、全粒パン)
・ヨーグルト
・果物
食べ方にも工夫が必要です。
例えば、白いご飯は高GI、高GL食品ですが、納豆や卵をかけると、GI値が低下します。
また、油で炒めると糖の吸収が穏やかになります。
つまり、白米よりも炒飯の方がよいのです。
食パンよりもクロワッサンがよいのも同じ理屈です。
食べる順番も大切です。
低GI、低GLの食品は、食後の血糖値の上がり下がりをゆるやかにすることができます。
普段食べているものを、なるべくGI値やGL値の低い食品、太りにくい食品に置き換えるようにしてみてください。
「『血流』をよくする 最高の習慣 より」
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血管力を高める食事は、炭水化物(糖)、塩分を少なめに、HDLコレステロール値を上げる食材を選ぶのが基本です。
これに外せないものが、たんぱく質を十分に摂る食事を心がけることです。
血管はアミノ酸、たんぱく質とコレステロールなどの脂質によってつくられます。
アミノ酸は普通の食事をしていれば十分にとれるので、動物性たんぱく質を意識しましょう。
たんぱく質はとくに血管中膜の結合を強くします。
動脈壁そのものを強くするので、脳出血などを防ぎます。
各栄養素にはそれぞれ役割があり、互いに作用し合って初めて「栄養」として働きます。
多種類の栄養素が機能を発揮し、効率よく利用されるしくみがヒトの体には整っています。
たとえば、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB群などが必要で、ビタミンB群が活性化するには各種のアミノ酸やミネラルが必要、…というように、栄養素を利用するにはほかの栄養素の働きが不可欠です。
よく、ヒトは1人では生きられないといいますが、栄養素もひとつだけでは機能しません。
ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、B群は、体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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