もの忘れは、老化ではなく進化である

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もの忘れは、老化ではなく進化である

 

激動と惑いの30代を駆け抜けると、脳は、次のゾーンに入る。

相次ぐ「攻めの失敗」で、要らない回路を見極めた後は、成功事例の積み重ね期に入るからだ。

40代は、脳が成功事例を積み重ねていくときで、脳の持ち主には、「おれも一人前になった」という感覚が訪れる。

 

しかし、この少し前から、少しずつ始まる「あれ」がある。

真面目な日本人を不安に陥れる、あれ。

もの忘れだ。

 

要らないところに信号が行かなくなるのだから、当然、もの忘れは起こる。

脳科学的には人生の想定内であり、むしろ喜ぶべき進化のあらわれなのに、もの忘れほど、この国のおとなを不安にさせるものはない。

日本人は、恥を知るエレガントな国民なので、「このまま、恥も忘れ、認知症になっちゃうのでは?」と、ことさら不安がっているように思う。

 

けれど、もの忘れは、想定内の進化なので、どうか安心してほしい。

 

 

本質を瞬時に見抜く脳になるために、すなわち、究極の直観力に到達するために、脳は、「今、生きるのに、直性必要ない」とおぼしき回路の優先順位を下げていく。

 

頭に女優の顔が浮かんで名前が出てこない?

ぜんぜん問題ない。

アンジェリーナ・ジョリーの名が浮かんでこなかったからといって、生きることに支障はないと脳が踏んだだけ。

ただ、家に帰って妻の名が出てこなかったら、これはちょっと……。

 

二日前、出張先で食べたランチのメニューが思い出せないのは、忙しいビジネスマンならあってもおかしくない。

もちろん、出張に行ったこと自体を忘れていたら、急ぎ、病院に行ってもらわなきゃならないけど。

 

二日前の食事のメニューのような「忘れがちなことを思い出す」という、脳のアンチエイジング・エクササイズがあるけれど、あれはナンセンス。

なぜ、せっかく脳が捨てた回路を、拾わなきゃならないの?

って感じ。

「成熟脳 脳の本番は56歳から始まる より」

 

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記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。

その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。

 

脳が老化し、萎縮してしまうアルツハイマーとの関係はとくに深く、アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。

アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。

同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。

通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。

 

レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。

とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。

血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。

これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。

そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。

 

また、脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。

B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。

糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。

また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

ビタミンB12について?

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