脳の健康のカギを握る「ぼんやり機能(デフォルトモード・ネットワーク)」の秘密

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脳の健康のカギを握る「ぼんやり機能(デフォルトモード・ネットワーク)」の秘密

 

日々スマホに頼りっぱなしの生活をしていると、デフォルトモード・ネットワークがてきめんに低下してしまうのです。

 

考えてみてください。

 

ほんの数分でも時間が空けば、ポケットや鞄からスマホを取り出すのが習慣になってはいませんか?

通勤時間も、家に帰ってからも、仕事中や食事中や睡眠中以外、ほとんどの時間をスマホに費やしてしまってはいませんか?

もし、そういう状況だったとしたら、「ぼんやりする時間」なんて到底とれませんよね。

 

つまり、スマホはわたしたちの生活から「ぼんやりする時間」を奪ってしまったようなものなのです。

ひと昔前、ふた昔前であれば、電車の中で手持ち無沙汰にボーッとしている人や喫茶店や公園のベンチでぼんやりしている人がたくさんいました。

しかし、いまでは、ほとんどの人がスマホを覗いていて、何もせずにぼんやり過ごしている人をほとんど見かけなくなりました。

 

このように「ぼんやりする時間」がなくなってしまったために、現代人のデフォルトモード・ネットワークの機能は急速に衰えてきているとされているのです。

 

 

それに、そもそもデフォルトモード・ネットワークは、何らかの意識的作業を行なっているときには低下するシステムです。

 

もちろん、スマホを使用しているときも「ぼんやり機能」が遮断された状態になっています。

スマホの情報をチェックしたり、YouTube見たり、ゲームをしたり、メールやラインをしたりしているときは、ワーキングメモリーはさんざん使われていますが、その一方で、デフォルトモード・ネットワークは、その間中ぴくりとも動かない状態になっていると考えた方がいいでしょう。

 

そういう状態が日夜ずっと続いたらどうなると思いますか?

当然、「ぼんやり機能」なんてほとんど使われないまま放置されているも同然ですよね。

つまり、私たちがスマホを使えば使うほど、デフォルトモード・ネットワークは使われなくなっていくというわけです。

 

何度も申し上げるように、人間の機能は、長く使われないと着実にその機能を落として錆びついていきます。

毎日大量にインプットされる情報の処理でワーキングメモリーは疲れ果て、一方、デフォルトモード・ネットワークは、ほとんど使われないまま錆びついていく……。

つまり、前頭前野が使われないまま錆びついていくのと同じ「スマホ脳」の構図が、デフォルトモード・ネットワークの低下にもあてはまることになるわけです。

 

なお、このような構図で「ぼんやり機能」を低下させてしまうと、次第に「集中/ぼんやり」「働く/休む」などの切り替えができなくなっていきます

そして、切り替えがうまくいかなくなると、脳がいつも緊張して集中しっぱなしのような状態になり、疲労が蓄積して脳過労へと進んでいくことになります。

 

また、この切り替えが完全にコントロール不能に陥ると、うつ病の症状が表れるようになります。

うつ病になると「集中しようとしても集中できない」「何をしても疲れてしまう」「仕事をしているときも嫌なことが頭から離れない」「休んでいても嫌なことを考えてしまう」「夜、眠れない」「何もする気が起こらない」といった症状が起こるのですが、これらはいずれも、脳の「集中/ぼんやり」の切り替えコントロールができないために引き起こされている症状なのです。

 

 

お分かりいただけたでしょうか。

「ぼんやりすること」は脳の健康を保つために絶対に欠かしてはいけない習慣なのです。

 

朝から晩まで忙しく、少しの暇さえあればスマホを取り出すような日々を送っていたら、「ぼんやり機能」を低下させてしまうのは確実。

デフォルトモード・ネットワークの働きを落としたくないなら、スマホとのつき合い方を見直して、できるだけ「ぼんやり時間」を回復していくように努めなくてはならないわけです。

「その「もの忘れ」はスマホ認知症だった より」

 

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記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。

その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。

 

脳が老化し、萎縮してしまうアルツハイマーとの関係はとくに深く、アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。

 

アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。

同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。

通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。

 

レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。

とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。

血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。

これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。

そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。

 

また、脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。

B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。

糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。

また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

ビタミンB12について?

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