脳の働き具合をよくするために、日常生活で心がけること
「スマホ認知症」を防ぐには、日々の生活でどんなことを心がけていけばいいのかを述べていくことにしましょう。
「スマホ認知症」は、スマホやパソコン、タブレットからの過剰な情報インプットによって脳の処理能力が低下し、もの忘れなどの脳機能低下症状が表れる病態です。
おそらく、すでに「スマホ認知症」の症状が出ている方がいらっしゃるのではないかと思います。
また、「スマホ認知症」というほどではないにしろ、普段からスマホに依存した生活を送っていて、“自分もいつ症状が出てもおかしくないな”という不安を抱いている方もかなりの数いらっしゃることでしょう。
では、そういったみなさんが「スマホ認知症」を治したり防いだりしていくためには、いったいどんなことをすればいいのか。
その対応策は次の10の心得に集約されると考えています。
1. まずはしっかり休む。ひなたぼっこをして脳を休める
2.「マルチタスク」をやめて「モノタスク(ひとつに集中)」にする
3. 脳を鍛えるのではなく、脳に疲れをためないようにする
4.「デジタル・デトックス」をやってみる
5.「すぐに検索」をやめてみる
6.「ナビ」になるべく頼らない
7. あえて「手間のかかる方法」を選ぶようにする
8.「リアル」の体験を大事にする
9. 1日5分、ぼんやりする時間を持つ
10. 脳細胞を修復する時間「睡眠」のとり方を変える
この10の心得は、もの忘れ外来で数多くの「スマホ認知症」や「脳過労」の患者さんを治療してきたなかで、実際に効果を上げているものです。
これらの心がけを常に頭の隅にとどめておいて、日々できるだけ実践するようにしていけば、だんだん脳の働き具合が調子よくなってくることでしょう。
そして、もの忘れやうっかりミスなどの気になる症状が減っていくはずです。
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記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。
その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。
脳が老化し、萎縮してしまうアルツハイマーとの関係はとくに深く、アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
レシチンはアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。
また、脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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