第3章 老人脳には5つのタイプがある タイプ1「やる気脳」の老化
第3章 老人脳には5つのタイプがある
タイプ1「やる気脳」の老化
脳には「老化が起きやすい部位」があります。
その部位をベースに、老人脳は5つのタイプに分類できます。
- タイプ1「やる気脳」の老化
- タイプ2「記憶脳」の老化
- タイプ3「客観・抑制脳」の老化
- タイプ4「共感脳」の老化
- タイプ5「聴覚脳」の老化
●タイプ1「やる気脳」の老化
やる気がなかなか出なくなる。
これは老人脳の特徴のひとつです。
若い頃は仕事で成果を出すことに一生懸命になれたり、試験を突破するために猛烈に勉強したり、休みに海外旅行にあちこち行ったりと、高いモチベーションでいろいろなことができたのに、歳とともにモチベーションか薄れていく。
特に、若い頃にやる気の熱量が高かった人は、自分の熱量が減ったことがなかなか受け入れられない人もいます。
「自分はもっとできるはず」と思っていながら、心と体が昔のようには燃え上がらない。
そのギャップに苦しんでいる人もいます。
「やる気脳の老化」です。
また、「食べたいものがすぐ思いつかなくなった」など、「欲」がだんだん減ってきたり、「いままでやってこれたことが面倒になった」というのも老人脳の可能性があります。
たとえば、毎年書いていた年賀状を出すのが億劫になりやめてしまったという人などは要注意です。
線条体は新しいことやワクワクすることがあると活性化し、やる気スイッチが入ります。
このスイッチが加齢とともに入りにくくなるのが、やる気の老化。
ドーパミン神経や男性ホルモンの分泌が衰えてくることも関係しています。
ただし、60代、70代でもやる気スイッチを入れる方法があります。
「やる気脳」の老化の特徴
◎あらゆる意欲の低下(生活、趣味、仕事など)
◎集中力の低下
◎流行についていけない
◎新商品に興味がわかない
◎昔のことばかり懐かしむ
◎過去にすがりたくなる
「80歳でも脳が老化しない人がやっていること より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
ビタミンB12について?