第8章 人を嫌いになるきっかけの9割が匂いだった
男性は嗅覚の衰えが女性よりも速く、自分の匂いがわからなくなってしまうこともあります。
実際にすごい加齢臭がしていても、本人は自分の匂いに気付いていない可能性があるので、注意が必要です。
ちなみに、若い女性特有のいい匂い(桃や花のような甘い香り)は「ラクトンC10」「ラクトンC11」という成分で、10代後半がピークで35歳でなくなってしまいます。
男性の加齢臭(古本のような匂い)は「ノネナール」で、40歳頃から増加することがわかっています。
ある衝撃的な調査があります。
東北大学の坂井信之先生が800人を調査した結果、「人を好きになるきっかけは見た目」「人を嫌いになるきっかけの9割は匂い」だったのです。
人と接するときは、まず自分の匂いに気をつける必要があります。
特に高齢の男性は加齢臭を意識していい香りをつけると友人ができやすいかもしれません。
また、口臭も気をつけたいところです。
いい香りがすることは、脳にもいいし、友だちや知り合いも増えやすいので一石二鳥です。
さらに、いい香りはその人の顔の印象をよりよく見せる効果があると言われているので、一石三鳥です。
ちなみに女性も男性よりは少ないですが、40歳くらいから加齢臭が出始めます。
最新研究で加齢臭ノネナールは肌にダメージを与えることもわかっているので、見た目の老化にもつながります。
一方で、50~70歳になっても加齢臭が少ない人が半分ほどいます。
こういう人は「肌を清潔にしている」あるいは「抗酸化力が強い人」だと考えられます。
ノネナールは、皮脂が酸化して発生する物質で、活性酸素が多い体質になると増えるからです。
加齢臭が発生しやすい部位は「頭」と「耳の後ろ」「お腹や背中」「首の後ろ」です。
では、加齢臭はどうやって防いだらいいのでしょうか。
清潔にすることは大前提ですが、具体的な方法がいくつかあります。
・マイクロバブル浴をする
シャワー浴や湯浴よりも効果があることがわかっています。
・コエンザイムQ10を摂取する
実験の結果、65~74歳の女性の加齢臭を軽減しました
・家にいるよりも外に出る
在宅勤務のほうが出社するよりも1.5倍加齢臭が出ることが報告されています。
加齢臭は活性酸素がつくられることで起きるため、健康のバロメーターとしても活用できます。
加齢臭が出る人は体が酸化しやすい人で、それは脳もダメージを受けます。
過剰な脂質やアルコールはほどほどにして、抗酸化物質をたくさんとり、睡眠や適度な運動をすることで活性酸素を減らせば、加齢臭も減ってくるはずです。
「80歳でも脳が老化しない人がやっていること より」
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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?
それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。
LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。
ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。
それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。
この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。
ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。
ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。
心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。
この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。
そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。
それはビタミンBです。
ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。
ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。
体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンBは8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?