第3章 腎臓を守る&機能改善!「腎リハ」のススメ 腎機能は簡単な運動をするだけで改善する!

第3章 腎臓を守る&機能改善!「腎リハ」のススメ

腎機能は簡単な運動をするだけで改善する!

 

▼運動で腎臓の毛細血管への負担を下げる

 

これまで慢性腎臓病(CKD)患者にとって運動は“禁忌”とされてきました。

CKD患者が運動を行った場合、腎臓に大きな負担がかかり、病状が悪化すると考えられていたためです。

 

しかし20年ほど前から、その常識が変わり始めました。

ウォーキングなど簡単な運動を適度に行った方が、腎機能が改善されることがわかったのです

 

腎臓には毛細血管が集まった糸球体が約100万個あり、その糸球体が体に必要なたんぱく質を残し、老廃物を体外に排出しています。

しかし、たんぱく質の摂り過ぎ、高血糖や高血圧などが原因で糸球体への圧が高まると、体に残るべきたんぱく質まで出されてしまう。

これが腎臓病の基本的な原因です。

その改善の鍵は体を動かすこと。

運動は糸球体の毛細血管を広げ、圧も下がって、腎機能も正常に働きやすくなります

ここでは、こうした腎機能回復のための運動を「腎リハ」と呼んでいます。

 

 

「腎リハ」で100歳でも元気な体に

 

▼できることから少しずつ始めていこう

 

腎臓病患者へのリハビリテーションである「腎リハ」は、じつは国から効果を認められた医療です。

2016年には、eGFR値が30未満の糖尿病性腎症患者への運動療法が健康保険の対象となり、2018年には対象者のeGFR値が45に引き上げられました

つまり、コストの面でも腎リハは取り組みやすくなっています。

 

とはいえ、それまで運動習慣のない方にとっては、第一歩を踏み出すのが難しいかもしれません。

そうした方は、日常行為に少しだけ工夫を施してみてください。

「車ではなく徒歩で買い物に行く」「出勤や帰宅のコースをやや遠回りする」など、少し負荷を加えるだけで、日常の運動量は増します

まずは“できることから少しずつ始める”ことが大事で、それが習慣になれば、体の変化も確実に表れてくるでしょう。

 

また、これまでの医療では、病後に生命を維持できるかどうかを予測する「生命予後」と、リハビリテーションによって改善を目指すADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)が分けて考えられていました。

しかし腎リハは、生命予後とADL・QOLの改善を同時に行える、まさに理想の医療行為です。

 

まずは第一歩を踏み出し、「腎リハ」によって100歳でも元気でいられるよう健康寿命を延ばしていきましょう。

 

 

「腎リハ」するなら注意しておきたいこと

 

▼腎リハをやってはいけない症状

 

「腎リハ」は“柔軟体操”“レジスタンス運動”“有酸素運動”を無理のない範囲で継続的に行い、腎機能の回復をはかるリハビリテーションです。

しかし、病態や症状によっては慎重に臨む必要があり、行ってはいけないケースもあるので注意が必要です。

 

心臓に動脈硬化症のある方は、事前に負荷心電図をとり、虚血が見られる場合はその時点での血圧や心拍数を確認します。

糖尿病を併発している方は低血糖に陥りやすく、網膜症の合併症がある場合には血圧上昇と低血糖、神経障害の合併症がある場合は足部の感覚障害、起立性低血圧、無自覚低血糖に注意します。

さらに腎機能低下は水分貯留によるむくみ、貧血による頻脈や息切れなどが起こりやすいので、こちらも十分に留意しましょう

 

また、絶対に腎リハを行ってはいけない方もいます。

1.最高180mmHg・最低110mmHg以上の重度の高血圧

2.空腹時血糖値が250mg/dl以上の高血糖

3.BMI30以上の肥満症

4.心臓病があり状態が安定しない方

5.腎機能が急激に悪化している方

6.急性腎炎を起こしている方

該当する方は腎リハが体の負担になり、病状を悪化させる可能性が高いので、運動は絶対に避けてください。

「腎臓の話 より」

 

*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+

 

人の体の老化は20代ごろから始まります。

老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。

30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。

健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。

 

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

 

ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン活性酸素)が増えるといわれています。

また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。

ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/