第5章 夜遅く食べない
逆流性食道炎のリスクが高くなる
仕事からの帰宅が遅い人は、夕食の時間が寝る直前になりがちです。
これは良くありません。
胃に入った食べものが消化されて小腸に行くまでに、2、3時間かかります。
もし、胃に食べものがあるうちに横になると、食道に逆流しやすくなります。
酸性の胃液にまみれた食べものが食道に入ると、食道の粘膜が傷ついてしまいます。
食道の粘膜は繊細で傷つきやすいのです。
これを「逆流性食道炎」といいます。
逆流性食道炎を発症すると、吐き気や苦味、酸っぱ味が込み上げてきます。
口にまで酸っぱい液が上がってくる症状を呑酸と呼びます。
また、それが原因で食道がんになることもあります。
食道がんは発見が難しく、転移が早いため死亡リスクが高いがんです。
脂っこい食事が多い人は、胃酸過多の可能性
逆流性食道炎を防ぐには、ベッドに入る3時間前には夕食を終えることが一番です。
また、脂質は消化に時間がかかるため、5時間くらい胃に滞留します。
寝る前の脂っこい食事はリスクを高めます。
「夕食を早く食べているのに逆流性食道炎の症状を感じる」という人は、胃酸過多の可能性があります。
これは、脂質の多い食事を日常的に摂っている人に多いことがわかっています。
消化しにくい脂質を分解するために、大量の胃液を分泌するからです。
また、早食いのクセがある人も胃酸過多になりやすいといえます。
短時間に胃液が必要になるからです。
もう1つの原因は、食道の筋力低下です。
立っているとき、座っているときはいいのですが、横になると、食べものを先に送る力が必要になります。
食道の筋力が衰えると、逆流しやすくなるのです。
食道の筋トレはできませんから、しっかりとタンパク質の多い食事を心がけることが予防法となります。
「血管が強くなる習慣 より」
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血管力を高める食事は、炭水化物(糖)、塩分を少なめに、HDLコレステロール値を上げる食材を選ぶのが基本です。
これに外せないものが、たんぱく質を十分に摂る食事を心がけることです。
血管はアミノ酸、たんぱく質とコレステロールなどの脂質によってつくられます。
アミノ酸は普通の食事をしていれば十分にとれるので、動物性たんぱく質を意識しましょう。
たんぱく質はとくに血管中膜の結合を強くします。
動脈壁そのものを強くするので、脳出血などを防ぎます。
各栄養素にはそれぞれ役割があり、互いに作用し合って初めて「栄養」として働きます。
多種類の栄養素が機能を発揮し、効率よく利用されるしくみがヒトの体には整っています。
たとえば、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB群などが必要で、ビタミンB群が活性化するには各種のアミノ酸やミネラルが必要、…というように、栄養素を利用するにはほかの栄養素の働きが不可欠です。
よく、ヒトは1人では生きられないといいますが、栄養素もひとつだけでは機能しません。
ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?