胃酸を抑えると腸内環境も悪化する

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胃酸を抑えると腸内環境も悪化する 
 
胃酸を抑えることのデメリットはまだあります。
腸内環境までも悪化させてしまうのです。
 
どういうことが説明しましょう。
 
胃酸が分泌されると、pH(ペーハー)1~2という、酸性度が非常に強い状態なります。
これは塩酸と同じくらいの強さで、どのような状態かというと、例えば指を入れたら、指先の指紋が溶けてツルツルになってしまうほどの強力な酸性です。
 
なぜ胃酸がそんなに強いのかというと、食べ物に含まれている細菌やウイルスを殺し、解毒しなければならないからです。
 
では、この強力な胃酸が分泌されなくなったらどうなるでしょうか。
 
食べ物に含まれてる毒素や、細菌、ウイルスがそのまま腸まで届きやすくなってしまうのです。
 
「SIBO(シーボ)」という小腸の病気かあります。
小腸内細菌異常増殖症のことで、今、非常に増えてきています。
 
もともと大腸には多くの腸内細菌が存在していますが、小腸の腸内細菌は大腸とは種類も異なり、数がとても少ないのです。
栄養の消化・吸収はおもに小腸でおこなわれており、この小腸特有の腸内細菌の種類と量を維持することがとても重要です。
この小腸の腸内細菌の種類が変化し、数が異常に増えてしまった病気がSIBOです。
 
SIBOになると胃から栄養分が豊富なドロドロの食材が流れ込むため、SIBOによって増殖してしまった細菌が発酵を促進し、メタンなどのガスを産生します。
そのためSIBOでは、少ししか食べていなくてもお腹が張ったり、ガスがよく出たりするなど、お腹の不調を起こすうえに、本来の消化がおこなえず栄養吸収障害となります。
 
過敏性腸症候群の多くの人が、同時にSIBOも発症しているといわれています。
過敏性腸症候群と診断されていて、治療をしているのにもかかわらず改善しない場合は、SIBOの可能性もあります。
 
小腸にこのように細菌が過剰に繁殖してしまう原因の1つに、胃酸の低下があります。
 
先述したように、胃酸には強力な殺菌作用がありますが、胃酸の低下によって、この殺菌作用が不十分になってしまうため、小腸内に細菌が増えてしまうのです。
 
これが腹部膨満感、げっぷ、胸やけ、逆流性食道炎につながります。
ですから人によっては、胃酸を抑える薬で食後の胸やけが改善しても、ガスが増えたり、下痢や便秘などの便通の異常が起こってしまうこともあります。
 
胃粘膜を保護する重要な胃粘液にはムチンが大量に含まれています。
ムチンは胃粘膜の粘性を上げて粘膜の保護をするだけでなく、効率的にたんぱく質を吸収しやすくしてくれる役目もあります。
このムチンを食べ物から摂取することで、ある程度カバーすることは可能です。
 
ムチン成分はおもに、納豆、オクラ、モロヘイヤ、山芋、なめこなどいわゆる「ネバネバ食品」に含まれています。
積極的に食べるようにしましょう。
「うつ」は食べ物が原因だった! より」
 
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血管力を高める食事は、炭水化物(糖)、塩分を少なめに、HDLコレステロール値を上げる食材を選ぶのが基本です。
これに外せないものが、たんぱく質を十分に摂る食事を心がけることです。
 
血管はアミノ酸たんぱく質コレステロールなどの脂質によってつくられます。
アミノ酸は普通の食事をしていれば十分にとれるので、動物性たんぱく質を意識しましょう。
たんぱく質はとくに血管中膜の結合を強くします。
動脈壁そのものを強くするので、脳出血などを防ぎます。
 
各栄養素にはそれぞれ役割があり、互いに作用し合って初めて「栄養」として働きます。
多種類の栄養素が機能を発揮し、効率よく利用されるしくみがヒトの体には整っています。
たとえば、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB群などが必要で、ビタミンB群が活性化するには各種のアミノ酸やミネラルが必要、…というように、栄養素を利用するにはほかの栄養素の働きが不可欠です。
よく、ヒトは1人では生きられないといいますが、栄養素もひとつだけでは機能しません。
 
ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、B群は、体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン活性酸素)が増えるといわれています。
 
ビタミンB12について?
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