第3章 6つのポイントで快眠して認知症リスクを下げる(ポイント1~3)

第3章 6つのポイントで快眠して認知症リスクを下げる(ポイント1~3)

 

どうしたら睡眠障害を防いで、認知症リスクを下げられるのでしょうか?

 

6つのポイント(ポイント1~3)を順番にお伝えしましょう。

 

 

1.朝起きる時刻を決めて、起きたら朝日を浴びる

 

「三本の矢で知られる戦国時代の武将・毛利元就日課は、「朝起きたら、朝日を拝み、念仏を10回唱える」ことだったそうです。

 

さすが知将で知られた毛利元就

念仏の部分はさておき、これは良質な眠りへと導く最良の選択です。

 

朝起きて朝日を浴びると、脳の体内時計がリセットされて1日24時間の正確なリズムを刻み始めます。

そしてリセットされてから14~16時間後、眠りを誘うホルモンの「メラトニン」が分泌されて、安眠へといざなうのです。

昔から「早寝早起き」といわれますが、実のところ「早起き早寝」が正解です。

 

何時に眠れるかは、その日の用事や体調などに左右されやすいですが、何時に起きるかは目覚まし時計で決められます。

何時に寝ても、起きる時刻を固定するのがポイント。

あとは体内時計の声に従いましょう。

 

 

2.日中はできるだけアクティブに過ごす

 

ヒトのように日中活動する「昼行性動物」にとって「明るいうちは動きまわり、暗くなったら眠る」というのが自然の摂理です。

この摂理とは別に、ヒトには「疲れたら眠る」というリズムもあります。

 

日中、何もしないで自宅にこもっていたら、脳も身体もほとんど使いません。

それでは「疲れたら眠る」というリズムが働きにくくなるのは、あたり前です。

脳と身体を使うことは、認知症予防の基本であり、睡眠障害を避けるためにも有効です。

 

その日の体調と相談しつつ、日中は努めてアクティブに過ごすように心がけましょう。

 

 

3.30分未満の昼寝をする

 

睡眠が足りないときには、30分未満の昼寝をするのが有効です。

眠気がとれて、脳も身体もアクティブに動かせるようになり、安眠へとつながります。

 

30分以上の昼寝をすると、夜眠れなくなりがちです。

それは「睡眠圧」(眠気)が下がるからです。

30分未満でも、夜の眠り響かないように、午後3時以降の昼寝は控えるようにしたほうがいいです。

 

30分未満の昼寝をする人は、認知症のリスクが下がるという報告もあります(新潟大学教育研究院医歯学系列の中村和利教授らの研究)。

この研究では、新潟県小千谷市に住む65歳以上の高齢者で、認知機能が正常と判定された371人を5年間追跡調査。

医療機関認知症と診断されていた18人も解析の対象としました。

 

5年後には27.3%の106人に、認知機能の低下が見られました。

そして昼寝の習慣がない人と比べて、30分未満の昼寝の習慣がある人の認知機能低下のリスクは、半分以下に抑えられていたそうです。

 

おそらく30分未満の適度な昼寝で、夜の眠りが深くなり、アミロイドβ(異常たんぱく質)が排泄されやすくなったのでしょう。

 

※ポイント 快眠の6つのポイントを守り、解決しないなら睡眠外来を受診しましょう

「一生ボケない習慣 より」

 

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老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。

この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク(アミロイドβタンパク)合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。

ビタミンB12は、タンパク(アミロイドβタンパク)合成と核酸(DNA)合成の両方に深く関わっています。

 

ビタミン欠乏症が原因で、認知症になるケースがあるそうです。

ビタミンが欠乏すると、記憶障害、無気力、集中力の低下、妄想、錯乱の症状がみられるようになります。

東京武蔵野病院 副院長 田中信夫先生によれば、認知症患者の血中ビタミンB12は、通常の人より少ないそうです。

認知症の方に、ビタミンB12を投与すると、ボケ症状、特に感情障害、夜間せん妄、意欲、自発性の障害などの精神障害が軽くなるといわれています。

 

ビタミンの種類は、ビタミンB1、ビタミンB12、葉酸

ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られということです。

これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。

長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。

また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。

主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。

加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/