第1章 「静聴」「傾聴」ができないと、まわりから疎まれる

第1章 「静聴」「傾聴」ができないと、まわりから疎まれる

 

コミュニケーションの中で、まず対立点を見つけて、反対意見や相手の間違いばかりを口にする人がいます。

こういう人はコミュニケーションの輪から次第にはじき出されてしまいます。

 

「相手が間違っている」と決めつけて、「もしかして自分が間違っているかも」とは決して思わないのですから、困ったものです。

ましてや、その人間が上司あるいは先輩、年輩であるような場合、部下、後輩、年少者は反発を感じても異議を唱えにくくなってしまいます。

 

「いっても、聞く耳を持たない」「いいだしたら、あとには引かない」と、まわりの人間はお手上げです。

 

こういうタイプの人は、すべて論理よりも感情でものごとを判断します。

つまり、理屈が通らない人なのです。

こういう人を相手に誤りを指摘したりすれば、その人の立場が危うくなることさえあります。

理屈が通らない人は、やがて自分への賞賛、賛成意見、同意しか受け付けない「裸の王様」になってしまいます。

 

仕事のシーンにかぎらず、プライベートのシーンにおいても、同意できる話だけには耳を傾けて、同意できない話にはまったく耳を貸さないという人がいます。

年代は問いませんが、とくにこうしたタイプの高齢者は人間関係を狭くしてしまいますし、その分、コミュニケーションの機会を減らすことにもつながります。

 

 

まわりから慕われる高齢者は「聞き上手」

 

そうならないために、忘れてならないのが「静聴」、そして「傾聴」というスタンスです。

老年精神医学を専門とする医師として、多くの高齢者が入院する病院に長く勤務していました。

 

その経験からいえることですが、医療スタッフから慕われ、見舞い客が多いのは、いつも柔和な表情で人の話を聞く人たちでした。

そうした人の口からは、愚痴、過度な自己主張、他人の悪口などはほとんど聞いたことがありません。

 

また、診察の際にも、まず話に耳を傾け、そのあとに病状、治療の経過、見通しなどを尋ねてきます。

まずは「静聴」「傾聴」のスタンスなのです。

 

だからといって決して寡黙なわけでも、口下手なわけでもないのですが、とにかく不満、憤りといった、いわば攻撃的な言葉を口にしないのです。

入院を余儀なくされている身であれば、恨み辛みのひとつがあってもいいのですが、それもありません。

とにかくまわりの人から慕われるのです。

 

一方、同じ入院している高齢者であっても、とくに社会的地位が高かった人、高学歴の人の中には、まったく逆のタイプの人がいました。

まわりの人間に対して、自己主張、他者への批判が多く、まわりの人の話に謙虚に耳を傾けることが不得手、あるいは嫌いなようでした。

もちろん、医者や医療スタッフはこうした人であっても、治療やケアをないがしろにすることはありませんが、家族を含めて見舞客も少なく、孤独感を漂わせていました。

 

結論としていえることは、他人の話を聞かず、相手との対立点ばかりに目を向けたり、自己主張ばかりしたりする人は、まわりから慕われないということです。

 

高齢者の中には、認知機能の劣化などもあって、すぐに相手と「角突き合わせる」人もいますが、「静聴」「傾聴」のスタンスを忘れてはなりません

まわりから疎んじられてコミュニケーションの機会が減少すれば、ハツラツ脳維持は困難になります

「いつまでもハツラツ脳の人 より」

 

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最近、電車の中でキレる人を見かけます。

少し前までは、電車の中で暴れるのは酔っぱらいか、普段から暴力的な人と相場が決まっていました。

でも、最近は違ってきています。

しかも、普段はおとなしく、礼儀正しい人なのに、ついカッとしてキレてしまったという人がとても多いのです。

受けたストレスをコントロールすることができず、感情を爆発させ、普段では決してしないような行動をとってしまう、これがいわゆる「キレる」という状態です。

この「キレる」という行為、原因を簡単に言うと、「ストレス」です。

これはまさに「セロトニン神経」の機能低下が原因だと考えています。

 

セロトニンは脳に静かな覚醒をもたらします。

これは別の言い方をすれば「平常心」をもたらすということでもあります。

平常心を保つというのは、脳の切り換えがスムーズに行われ、どこも暴走も興奮もしていない状態のまま、スムーズに働いているということです。

セロトニン神経の機能が低下すると、感情や精神状態を普段の冷静な状態にキープすることが難しくなることは充分に推測できます。

そしてこのことは、キレる人が朝の満員電車よりも、夜の帰宅時に多いということからも証明されます。

 

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。

そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。

脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。

B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/