第3章 ピークはまだ先!ハツラツ脳で別の自分を見つける コロナ禍は高齢者の脳に、なにをもたらしたのか?

第3章 ピークはまだ先!ハツラツ脳で別の自分を見つける

コロナ禍は高齢者の脳に、なにをもたらしたのか?

 

ここで、コロナ渦とヨボヨボ脳の関係について考えてみましょう。

 

2022年に発生したコロナ禍によって生じた過度の人流抑制、とりわけ60代以降の世代に対しての影響について、大いなる危惧を抱いています。

 

ひと言でいえば、今後の調査によって、著しい認知症増加が明らかになるのではないか、ということです。

 

 

1.高齢者のコミュニケーション量の減少

2.高齢者の運動量、運動能力の低下

 

 

このコロナ禍にあって、異常ともいえる人流規制を訴えました。

その結果、1、2の事態が生じました。

 

コロナ対策の大きな柱となった大規模な人流規制によって、広範囲にわたって高齢者の健康状態が著しく損なわれたと考えています。

 

とくに新たな認知症患者の増加、認知症患者の症状悪化に拍車がかかったことは間違いありません。

今後、コロナ禍によるさまざまな健康への影響が統計的にも明らかになるかと思いますが、認知症への悪影響は小さくないはずです。

 

 

「コロナは感染しなかった。でも認知症になった」という現実

 

自身が60代~80代であるとか、60代~80代、90代の親が身近にいたりすればわかることですが、いわゆる高齢者、超高齢者がなんらかの事情で一定期間入院した場合、著しく運動の機会が減少します。

 

軽い内科手術などによって1週間程度、入院しただけで筋肉量はかなり減少します。

この傾向は年齢が高ければ高いほど顕著です。

筋肉を使わなければその量はどんどん減少しますし、筋肉はエネルギーの貯蔵庫でもありますから、入院によるさまざまな体力低下を補うために消費されてしまうわけです。

 

入院されたことのある方なら経験のあることだと思いますが、ふくらはぎを触ってみると、思っていた以上に細くなっていることに気づきます。

当然、運動能力も著しく低下するわけですが、外出制限による運動不足は筋肉量の減少以外にも、高齢者の健康状態に悪影響を及ぼし、結果として認知機能低下を招きます。

 

1.視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感を刺激する機会が減る

2.高血圧、糖尿病、肥満のリスクが増す

3.脳の血流の活性化が停滞する

4.日光を浴びないために、脳の感情機能維持に必要なセロトニンの分泌量が減る

 

この4つは、外出、運動、コミュニケーションの機会の減少によってもたらされますが、いずれも認知症のリスク要因です。

 

コロナ禍、外出を自粛した後、「久々に会った高齢の親や知人の様子が激変していて驚いた」という声が多く聞かれますが、まさにこうした因果関係によるものと考えられます。

 

「コロナには感染しなかったが、認知症になった」

 

高齢者を親に持つ人たちからは、そうした話をしばしば耳にします。

コロナ渦を境に、ハツラツ脳の持ち主がヨボヨボ脳に変身してしまったというわけです。

「いつまでもハツラツ脳の人 より」

 

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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。

そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。

とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。

気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。

とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。

しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。

 

私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。

この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。

セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。

 

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。

それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。

しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。

そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。

また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/