第4章 目指せ「小太り」!
「わかっちゃいるけど、続かない」
中高年にとって、しばしばそう感じるものがあります。
それが運動です。
真面目に運動を続けている人もたくさんいますが、ほとんどの人は「右肩上がり」で成長を続けるお腹周りを触りながら、「運動しなくては」と暗い顔になります。
がんなどの生活習慣病を予防し、動脈硬化を防ぐために運動は欠かせない。
それはみんな十分わかっています。
にもかかわらず、続けられない、続けにくいのが運動かもしれません。
50代以降の年代ならば、少々の肥満は問題ありません。
「少し太りぎみかな」と感じても気にしない、が正解です。
BMI(ボディ・マス・インデックス)は22が標準とされていますが、世界中のさまざまな統計を見るかぎり、いちばん長生きするのは、この数字よりもやや高い25~30くらいです。
しかも元気で幸せそうに見えます。
現在の日本の健康診断では25~30になると、判で押されたように「肥満」のレッテルを貼られて食事指導を受けるようになります。
動脈硬化を防ぐための「食べる楽しみを抑えた」暮らしです。
動脈硬化を恐れるあまり、好きなものを満足に食べない暮らしを続けていれば、自ずと男性ホルモンは減少していき、免疫機能は低下します。
それよりも、好物を食べ、男性ホルモンの量を増やし、NK細胞活性を上げたほうが、よっぽど幸せです。
そういう暮らしを続ければ意欲が枯れることはなく、脳はヨボヨボになりません。
逆に「健康長寿脳」の持ち主となり、その元気ハツラツぶりは外見にも表れてきます。
福沢諭吉が説く「好かれる外見」のススメ
人の印象は「外見が9割」という見方がありますが、福沢諭吉も「学問のすすめ」の中で次のように述べています。
「顔色や表情を、いきいきと明るくすることは、人として大事なことである。
いつも苦虫を噛みつぶしたような顔をしていてはダメである。なぜなら人の表情は、家の門と同じだからである。
多くの人と交際し、付き合うには、門口を清潔にして、相手が入りやすくすることが大切である。
ところが、人と広く交際したいのに、表情に気を使わず、偽君子の格言を信じて、渋い顔つきでいるのは、門口にガイコツをぶら下げ、玄関に棺桶を置いているようなものである。
これでは人は近づかなくなる」
ガイコツ、棺桶と刺激的な言葉が使われていますが、人の外見の大切さを見事に言い当てています。
それは単なる見てくれではなく、内面から滲み出てくる「外見」の重要性です。
人に好かれる、生き生きとして明るさは、「好きな食べもの」抜きでは作れないことを再認識したいものです。
「いつまでもハツラツ脳の人 より」
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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?
それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。
LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。
ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。
それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。
この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。
ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。
ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。
心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。
この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。
そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。
それはビタミンBです。
ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。
ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンBは8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?