知ってますか?脳梗塞の症状 初期の対応が明暗を分ける
脳梗塞かどうかは、「顔」「腕」「言葉」をチェックすれば、誰でも判断ができます。
「少し様子を見よう」が一番いけません。
≪ACT-FAST検査マニュアル≫
もしも脳梗塞らしき人がいた場合、周囲の人は患者に対して以下の3つの質問をしてみるとよい。
どれかひとつでもできない場合は、70%以上が脳梗塞の可能性大。
救急車を呼び、専門の病院へ急ぐべきでしょう。
顔・・・ニッコリ笑ってみて
「イーッとしてみて」と声をかける。
意識がないときは、手足をつねって痛み刺激を与えるといい。
顔の片方だけしか動かなければ、顔面神経麻痺があります!
腕・・・両腕を上げてみて
脳梗塞で起こる片まひをチェックするために、目をつぶって、手のひらをうえにして「前にならえ」の姿勢で、10秒間保持してもらう。
片方の腕がゆっくり下がってくれば、片まひがあります!
言葉・・・「太郎が花子にりんごをあげた」と言ってみて
意識がもうろうとしてうまく答えられなかったり、話せてもろれつが回らなかったら、言語障害があります!
≪もっとも起こりやすいのは片まひ≫
脳梗塞では、脳のどの部分に障害が残ったかによりさまざまな症状が現れます。
以下、起こりやすい症状を紹介しましょう。
・ 片まひ
片まひは、脳梗塞でもっとも起こりやすい症状です。左脳が障害されれば顔や顔面の右側に、右脳が障害されれば顔や体の左側にまひが起こります。
体の片側のみに「うまく動かせない」「力が入らない」といった症状が現れ、「ものがつかめない」「うまく歩けない」などの運動障害が起こります。
この片まひがあるかどうかは、脳梗塞を判断するうえでの大きな鍵となります。
・ しびれる、感覚が鈍くなる
感覚障害は、片まひとともに代表的な症状のひとつです。
「しびれる」「触覚や痛覚などの感覚が鈍くなる」といった症状が体の片側に現れます。
・ ろれつが回らない
急にろれつが回らなくなったり、舌がもつれたりする場合も多い。
脳の左右両側や脳幹に梗塞が起こると、この症状が現れやすい。
・ 意識障害
意識がもうろうとしてはっきりしない場合もあります。
その程度はさまざまで「いつもと様子が違う」「おかしなことを口走る」というくらいのこともあれば、まったく意識のない「昏睡状態」のこともあります。
・ 失語症
「何かを言いたくても、言葉が出てこない」「他人の言うことが理解できない」といった症状が起こることもあります。
こうした障害が起こるのは、脳の言語中枢に梗塞が起こったときです。
・ 視覚障害
視野の片側が欠けたり、ものが二重に見えたりします。
また、「半側空間無視」といって、左右どちらかにあるものを、(見えているはずなのに)認識できなくなることもあります。
・ 立てない、ふらふらして歩けない
小脳や脳幹に梗塞が起こると「立てない」「ふらふらしてうまく歩けない」といった症状が起こります。
また、回転するようなめまいが起こる場合もあります。
・ 失行、失認
日常的行動が行えなくなる(失行)、よく知っているはずのものを認識できなくなる(失認)などの症状が現れることもあります。
≪初期の対応が明暗を分ける≫
以上のように、脳梗塞にはさまざまな症状の現れ方があります。
ただし、これらの症状を記憶するだけでは、とっさの行動に結びつきません。
とくに高齢だと、これらの症状が加齢に伴う一時的なものと見られがちです。
そこで現在もっともよい方法が、上記のACT-FAST(その場に居合わせた人が、脳梗塞のキーとなる症状の診察をしようという運動)の3つの検査です。
「3つのうちひとつでも異常が出ていれば、70%以上が脳梗塞と診断されることが証明されています。
検査で異常があれば、自信を持って救急車を呼んでください。」 (エコノミスト より)
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