ストレスがかかると、脳や体にどんな影響を与えるか

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ストレスがかかると、脳や体にどんな影響を与えるか
 
性格と頭の働きとの関係でもっとも問題になるのは、ストレスの受け止め方です。
 
ストレスが強いほど病気になりやすく、寿命が短くなるというのは、いろいろな研究で報告されています。
あまりストレスを感じないリラックスタイプの人は長生きできるようです。
些細なこともストレスと感じ取ってしまったり、ストレスを長引かせる人は、健康を害したり、頭の働きにも悪影響を及ぼすことになったりするのです。
オポッサムという小さなネズミがいますが、普通はその寿命は一年半くらいです。
このオポッサムを、それを餌としているキツネなど天敵である捕食者がいない島に放すと、寿命が二倍に延びたという報告もあります。
 
オポッサム自身は、捕食者のいない島に来たということは知らないのですが、生命の危機にさらされるストレスから解放された生活を送ることになって、長生きできたのです。
 
狩猟時代は人間もつねに生命を脅かされるような外敵にさらされていましたが、現代では、直接生命を脅かされるような外敵からは解放され、そうしたストレスからは解放されています。
しかし、文明が進んだ現代では、仕事や人間関係など違ったストレスにさらされるようになっています。
 
ストレスがかかると、脳や体にどのような影響を与えるかがわかっています。
ストレスがかかると、脳の視床下部から「副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン」(CRH)がまず出て、脳下垂体から「副腎皮質刺激ホルモン」(ACTH)の分泌を促します。
さらに、このホルモンが副腎皮質に刺激を与えて、「コルチゾール」というストレスホルモンを出すのです。
 
つまり、視床下部→脳下垂体→副腎皮質という流れがストレス回路です。
 
ストレス反応が起こるのは、たとえば外敵に出会ったしまったときにいち早く逃げたり、戦う姿勢をとるためで、基本的に体を守ろうとする反応です。
しかし、それが繰り返されたり、長く続くと、いろいろな病気の引き金になります。
 
コルチゾールは血糖値を上昇させ、ナチュラルキラー細胞を抑制するなど免疫力を落として、がんを悪化させたりします。
 
さらに交感神経を興奮させて、副腎髄質からアドレナリンを分泌させます。
交感神経と副腎髄質はつながっていて、交感神経が興奮すると副腎髄質のアドレナリン分泌をふやします。
 
そのため、血管を収縮させ血圧を上昇させ、血液を固まりやすくし、胃の粘膜の血流低下なども招きます。
 
アドレナリン分泌は一時的なものですが、こうしたことがたびたび起こると、当然、十二指腸潰瘍、心筋梗塞脳梗塞などにもなりやすくなります。
短期ですぐに怒りやすく、いつも怒ってばかりいるといった人が脳卒中などになりやすいのは、そのためです。
 
ですから、ストレスというのは、たんに精神的な問題だけでなく、体にも響いてくるのです。
 
       ストレスを感じない人のほうが長生きできる
       ストレス反応は基本的には体を守る反応だが、強すぎたり、長く続くと病気の引き金に
       短期で怒りやすい人ほど脳卒中になりやすい
「いつまでも『老いない脳』をつくる10の生活習慣 より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
 
ビタミンB12とは…?
 
ビタミンB12の研究初期は、ビタミンB12といえば悪性貧血、悪性貧血といえばビタミンB12といわれました。
しかし、現在のビタミンB12は、神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。
末梢神経の不調 ―手足の痺れ・麻痺・痛みなど― はもちろん、中枢神経 ―脳・脊髄― の機能低下にも有効であることが明らかになっています。
 
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
 
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
ビタミンB12は腸で吸収されます。
しかし、その前に胃の内因子と結合することで吸収される状態を作っているため、胃を切除している人などの場合は、胃の内因子なしで吸収されるために大量のビタミンB12を補給する必要があります。
胃の粘膜が萎縮している人や、胃の働きが弱い人も同様です。
 
脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成、核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
 
ビタミンB12について