思考は寝ているあいだに整理される

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思考は寝ているあいだに整理される
 
睡眠中に記憶の整理、定着をしているというしくみを説明しましょう。
 
レム睡眠中、脳全体は活動しつづけています。
このとき、脳は情報を整理しています。
重要でなかった情報を忘れて、より本質的な情報だけが強く残って定着していく。
脳が自動的に情報をふるいにかけているようなイメージです。
 
記憶の整理や定着は、起きているときよりも寝ているときのほうが進みやすいのです。
寝ているあいだは新しい情報が入ってこないからです。
 
外部からの入力がない状態で、一時的に保存していた記憶をより長期的な記憶に変換したり、得た情報を取捨選択していく。
新しい情報と以前から脳にたくわえられている情報を引き合わせ、関連する情報を結びつけたり、集約したりしていく。
 
それによって思考も整理されていきます。
寝ているときにアイデアがひらめくという話はこういう原理だと思います。
 
ですから、寝る前に明日すべきことや課題を簡単にメモすると効果的です。
よけいな部分が削ぎ落とされ、翌朝には、問題点がすっきり具体化されて脳に刻まれています。
問題がブラッシュアップされるような感覚で浮かび上がってくるのです。
 
執筆や会議のテーマ設定などで煮詰まったとき、大まかなポイントや方向性だけをノートに書いてさっさと寝ることにしています。
すると翌朝起きたときには、睡眠効果で考えがまとまっているので、あとはそれを書き起こすだけです。
 
ちなみに寝る前に頭の中で思うだけでなく、書いて出力しておくほうが睡眠中の思考の材料になりやすいでしょう。
 
睡眠時間を削ることは、このような記憶が定着する時間、思考が整理される時間を削ることにつながります。
しかも疲労も回復されにくいので、昼間脳がよく働かない。
その蓄積が、やがて物忘れや思考の混乱となって現れてくるのです。
 
筋肉を鍛えるときも、ずっと運動をつづければいいわけではなく、運動後の休息が大切。
筋肉は休息時間に増えると聞きます。
同様に、睡眠時間は何もできない時間と考えるのではなく、記憶・思考のための時間と考えましょう。
 
また、朝活のため早起きをするのは結構ですが、午前3時、4時起きなどは、早起きの効果よりも生体リズムを崩す影響のほうが大きく、記憶や思考の整理にもつながりません。
早起きはサーカディアン・リズムに合わせた時間帯にするよう、注意してください。
 
※サーカディアン・リズム(概日リズム)
体内時計という言葉を聞いたことがあると思います。
すべての生物は約24時間周期のリズムを持っているということです。
 
この生体リズムの基本となるものは、細胞の持っている時計遺伝子です。
全身の細胞にあり、それぞれが自律的に約24時間のリズムを刻んでいます。
 
24時間とは、ご存知のとおり、地球の自転に合わせた周期です。
人間はこの周期が約25時間と1時間長いので、太陽光を浴びるなどをして修正しています。
 
生体リズムの代表的な例としては、睡眠があります。
朝起きて夜眠くなるのはこのリズムのためです。
そのほかに体温変動、血圧、ホルモンの変動などがあり、これらの生命を維持する働きは1日の周期で変動しています。
この生体リズムを医学的に「サーカディアン・リズム(概日リズム)」といいます。
「一生衰えない脳のつくり方・使い方 より」
 
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ビタミンB12は結晶が赤いことから「赤いビタミン」とも呼ばれています。
主な働きは赤血球の生成を助け、貧血を予防すること。
女性に多い貧血の原因は、鉄分の不足が挙げられます。
しかし、貧血にはもうひとつ原因があるのです。
それがビタミンB12の不足。
ビタミンB12は赤血球を形成、再生し、血液を作ることで、貧血を防いでくれるのです。
 
そのほかの働きとしては、成長を促進し、子供の食欲を増進させる、エネルギーを増大させる、脂肪・炭水化物・タンパク質が適切に使われるようにする、集中力・記憶力を高めて精神を安定させる、などが挙げられます。
 
また、神経細胞内の表面の脂質膜の合成にも関与しており、末梢神経の傷の回復にも効果があります。
実際、腰痛などの治療にも採用されています。
腰痛や肩こり、手足のしびれに悩まされている人にもビタミンB12はおすすめです。
 
もうひとつ忘れてはいけないのが、ホモシステイン血症との関わり。
遺伝的なもの以外では、ビタミンB12不足により引き起こされるホモシステイン血症は、進行すると動脈硬化心筋梗塞の危険性が高まるといわれています。
 
ビタミンB12は、葉酸とともに核酸の合成を助け、脊髄、胃腸の粘膜などで活躍します。
また、脳や神経とも関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
 
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
また、人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
 
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