【認トレ】「見当識トレーニング」で時間間隔を維持


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【認トレ】「見当識レーニング」で時間間隔を維持
 
■今日が何日・何曜日かを重点的に
見当識」というのは、いまが何年何月の何曜日なのか、いまは何時ごろでどんな季節なのかという時間感覚と、いま自分がどこにいるのかという場所感覚、あるいは自分が誰で何歳で、いま対面している人は誰なのかという人物感覚など、これらをもとに自分の置かれた状況を判断する機能のことです。
 
たとえばお正月やお盆などの長期の休暇では、現役の若い人でも「あれ、今日は何日で、何曜日だったっけ?」と、時間の感覚があやふやになることがよくあります。
これは、一時的に見当識が弱くなってしまった状態と言えます。
 
これと同じような状態は、「曜日ごとに必ずしなければならないこと」が少なくなる高齢の方では、より頻繁に起こりやすくなるのです。
 
見当識の中でも特に「曜日」などの時間の感覚というのは、社会の活動と密接にかかわっているので、高齢者では感覚が薄くなりがちです。
そうした生活をずっと続けていると、いつしか、いまが何日で何曜日なのかにも意識が向かなくなり、健全な見当識を保つ役目を持つ脳部位が機能低下しかねません。
 
実際、認知症を発症してしまった方では、初期段階から中期段階にかけてこの見当識が顕著に低下します。
いまがいつで、自分がどこにいるのかがわからなくなってしまうのです。
こういう状態になると、本人は非常に大きな不安を感じます。
 
まだ意識が明瞭な段階なので、患者さんがその不安でパニック状態になってしまうこともよくあります。
本人にしてみたら、突然、知らないところにひとりで放り出されたように感じるのでしょう。
 
そうした状態に陥らないよう、まだ生活に支障がないうちから、意識的にいまがいつなのかという時間感覚を毎日強化するトレーニングをしましょう。
 
具体的には、目に入りやすく、読み取りやすいカレンダーや時計を部屋の目に付く場所に設置することから始めます(もちろん、多くのケースではすでに設置してあるでしょうが……)
 
そして、たとえば朝起きたときや、決まった時間の散歩などに出るとき、あるいは働いている方では仕事に出るときなどに、定期的にカレンダーと時間を確認し、それを口に出してダブルチェックする習慣を付けるのです。
 
たとえば「今日は32日、月曜日。時間は……朝の7時半」と、ごく当たり前のことではあるのですが、それを頭の中だけで完結せず、あえて言葉にするのです。
言葉にすることで、漠然と目をやるだけではなくて、カレンダーや時計の情報をしっかりと読み取り、意識付けすることによって脳に刺激を与えて見当識を維持する助けにできます。
 
カレンダーに休日があれば、その日がどんな休日だったかを思い出してみるのもよいでしょう。
また些細なことでもよいので、先の予定などもできるだけカレンダーに書き込むようにして、カレンダーを確認するたびにそれらの予定についても確認するようにすれば、より効率的に時間の感覚を健全な状態に維持することができます。
 
これらのトレーニングは、見当識のうちの時間間隔だけに関係するものではありますが、時間間隔をしっかりと維持することで、社会的な活動を維持する助けにもなります。
ぜひ、生活に取り入れてください。
 
■実際の治療や介護の現場でも広く取り入れられている
見当識のうちの時間間隔を維持するためには、ほかにもその季節ごとの旬の食材を日々の食事に積極的に取り入れるように意識することも役立ちます。
 
旬の食材は、栄養的にも豊かですから栄養面から認知症を防ぐことにもつながりますし、旬の食材を取り入れようと意識することで、いまがどの季節なのかを強く認識することにもなります。
 
さらには旬の食材は香りも強い場合が多いので、臭覚をとおして、脳に良い刺激を与えることもできるでしょう。
 
もちろん視覚をとおして四季を感じることにもつながります。
 
こんな簡単な当たり前のことでも、意識的に行えば認知症の予防に一定の効果を期待できるのです。
 
実際、すでに認知症を発症してしまった患者さんに対する初期の治療の一環として、見当識を維持・回復させるための「現実見当識訓練(ROT:Reality Orientation Training)というものが、医療機関介護施設では広く行われています。
 
この訓練では、患者さんに接する医療者や介護者が、会話のなかに「○○さん、春になって暖かくなりましたねぇ」とか、○○さん、今日は木曜日ですから、お医者さんの検診日ですね」といった感じで、見当識に必要な情報を会話に自然に盛り込んだり、食事に旬の食材を取り入れたりすることで、患者さんが時間や人物の感覚を取り戻すことを期待します。
 
劇的な効果が上がることは少ないのですが、ある程度の見当識の改善は広く認められるために医療機関介護施設の現場で採用されており、予防においても一定の効果が期待できると考えます。
認知症予防トレーニング「認トレ」一生ボケない!38の方法 より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
 
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
 
一般にビタミンB群は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12、B6葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。
 
現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
 
また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には広く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
ただし、おもしろいことに、納豆やみそ、たくあんなど、日本に古くからある保存食には、植物性でも例外的にビタミンB12が含まれています。
これは、発酵の過程でビタミンB12が作られるためと考えられます。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12が効果的に作用するには、ビタミンB12単体ではなく葉酸など他のビタミンB群と一緒に摂取することが望ましく、また、ビタミンB群はバランスよく摂ることで相乗効果を発揮します。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
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