「悪い血液」が「悪い血管」をつくる

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「悪い血液」が「悪い血管」をつくる
 
 汚れた川の川岸がゴミだらけになってしまうように、悪い血液が悪い血管をつくり、老化を早めて血管事故を招きます。
 
血液は体重の13分の1ほどの量で、一般的な体格の成人では5リットル程度といわれています。
その45パーセントは血球、55パーセントは血漿です。
 
血球とは、赤血球、白血球、血小板という3つの細胞であり、血液の固形成分です。
 
もっとも多いのは赤血球です。
主成分の鉄とタンパク質が結合したヘモグロビンで酸素を細胞に運び、不要な二酸化炭素を引き取る役割があります。
総数は20兆個前後にものぼり、体を構成する細胞の3分の1を占めています。
 
白血球は体内に侵入した外敵を撃退する「免疫システム」の担い手です。
顆粒球、単球、リンパ球の3タイプがあります。
リンパ球にはNK細胞、B細胞、T細胞があり、毎日発生するがん細胞の芽を早めに摘み取ってくれます。
 
血小板は出血を止めるカサブタをつくる働きがありますが、動脈硬化のコブ(プラーク)が破裂すると血栓をつくり、血管事故の元にもなります。
 
血漿は血液の液体成分です。
90パーセント以上は水ですが、他にアルブミングロブリンといったタンパク質、ミネラル、糖質、脂質などを含んでいます。
 
これらのうち悪い血管をつくるのは、血漿に含まれている糖質と脂質です。
血漿中の過剰な糖質と脂質は血液をドロドロにさせてしまい、血液にも悪影響を与えます。
 
砂糖などの糖質を摂りすぎたり、糖尿病で血糖値が上がりすぎたりすると、血漿に過剰な糖質が溜まります。
過剰な糖質はタンパク質と結びついてAGEという物質をつくり、活性酸素をどんどん出して動脈の壁を攻撃します。
 
赤血球は柔軟性が高く、より細い毛細血管の中でも自分の体を自在に変形させて通り抜ける力(変形能といいます)がありますが、血糖がくっつくと変形能が下がり、隅々まで酸素が運べなくなってしまうのです。
 
血液中の脂質にはコレステロール中性脂肪があります。
酸化した悪玉コレステロール動脈硬化の足がかりをつくりますが、中性脂肪が増えすぎると、その燃えカスが増えて血小板が集まりやすくなり、血管事故の元となる血栓をつくりやすくなります。
 
食生活の見直しで糖質と脂質を減らし、ドロドロ血液をサラサラに変えるのが、血管の若返りの第一歩です。
 
【AGE(エー・ジー・イー)
日本語では「終末糖化産物」と呼ばれており、体をつくっているタンパク質に糖質が結びつく「糖化」という反応を介して生まれます。
AGEが体内に残ると、血管の老化が進み、AGEから有害な活性酸素が発生して動脈硬化が進行します。
仮に、一度に摂取するAGEの量はわずかだとしても、食事は毎日摂ります。
知らない間にAGEは少しずつ蓄積して血管にダメージを与えるのです。
「血管があなたの寿命を決めている 生活習慣で「老化」を進めないために より」
 
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ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ成分です。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
ホモシステインLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞を引き起こします。
もしビタミンB群のビタミンB12葉酸があれば、ホモシステインは分解されます。
 
しかしビタミンB12葉酸が欠乏していると、ホモシステインが増え、その結果、血栓ができ、心筋梗塞脳梗塞になります。 
 
一般にビタミンB群は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化を早めないために必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12、B6葉酸は、もっとも重要なビタミンとされます。
 
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