遺伝の影響より、生活習慣に目を向けよう

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遺伝の影響より、生活習慣に目を向けよう
 
認知症には、大きいものに「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」「アルツハイマー(アルツハイマー認知症)」の3つがあります。
それぞれ認知症を引き起こす原因が違っていて、「脳血管性認知症」は、脳梗塞脳出血くも膜下出血といった脳の血管障害によって起こり、「レビー小体型認知症」は、神経細胞の中に「レビー小体」という異常たんぱくがたまってしまうことから起こるとされています。
そして現在、認知症としてもっとも広く知られている「アルツハイマー病」は、「アミロイドベータたんぱく」「タウたんぱく」という異常たんぱくが、脳の中に蓄積することで起こるといいます。
どうして脳に「アミロイドベータたんぱく」や「タウたんぱく」がたまっていってしまうのかについては、まだすべてが解明されてはいません。
その中にあって、いまは「アルツハイマー病」が遺伝の影響を受けることがわかってきています。
アルツハイマー病と関係があるとされているのが、「アポリポプロテイン」というたんぱく質の遺伝子で、これには「アポE2」「アポE3」「アポE4」の3種類があります。
このうちたとえば「アポE4」遺伝子をもっていると、アルツハイマー病の罹患リスクが3~8倍になるとされています。
また、遺伝が関係する認知症には、「家族性アルツハイマー病」のように、遺伝子変異が受け継がれ、40~50代の若さで発症するものもあります。
「若年性アルツハイマー病」と呼ばれているものです。
ただし、「若年性アルツハイマー病」は、人口10万人あたりで20人ほどしかいませんし、そのうち家族性とされているのは10パーセントにしかすぎないとされています。
さらに遺伝子変異が明らかになったものは、その10パーセントのうち半分程度といわれています。
割合としては大変にまれな病気ですし、認知症95パーセントは加齢による老年性の認知症です。
家族や親族に認知症の方がいても、高齢になってからの発症であれば遺伝の心配はまずないといってよいでしょう。
「アポE4」遺伝子の話を戻すと、日本人の2割がこの遺伝子をもっているとされています
しかし、だからといって必ず認知症になるというわけではないのです。
 
たとえばガンにしても、ガンになりやすい遺伝子を受け継いでいるからといって、全員がガンになるわけではありません。
リスクは確かに高くなりますが、そのぶん、生活の中で予防にしっかりと気をつければガンの発症は抑えられやすくなります。
認知症も同じことがいえるのです。
認知症を発症するリスクは、遺伝子を持っていない場合よりは高くなるかもしれません。
でも病気の発症には、どんなものも遺伝的要因と生活習慣の2つの要因が関係しています
また、家族の場合には、遺伝でなくても生活習慣も自然と似てしまいがちなのも大きいです。
認知症になるかならないかは遺伝子よりも、むしろ生活習慣が重要なのです。
なぜなら、遺伝子を変えることはできませんが、生活習慣のほうはいくらでも変えることができるからです。
脳の機能を落とさない生活を続けることで、認知症のリスクは小さくしていくことができるのです。
「らくらく認知症予防法 生涯健康脳になるコツを教えます! より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。
 
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
 
近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
ビタミンB12、葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
 
また、ビタミン欠乏症が原因で、認知症になるケースがあるそうです。
ビタミンの種類は、ビタミンB1、ビタミンB12、葉酸
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
東京武蔵野病院 副院長 田中信夫先生によれば、認知症患者の血中ビタミンB12は、通常の人より少ないそうです。
認知症の方に、ビタミンB12を投与すると、ボケ症状、特に感情障害、夜間せん妄、意欲、自発性の障害などの精神障害が軽くなると言われています。
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
ビタミンB12について?
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