
遺伝の影響より、生活習慣に目を向けよう
それぞれ認知症を引き起こす原因が違っていて、「脳血管性認知症」は、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血といった脳の血管障害によって起こり、「レビー小体型認知症」は、神経細胞の中に「レビー小体」という異常たんぱくがたまってしまうことから起こるとされています。
どうして脳に「アミロイドベータたんぱく」や「タウたんぱく」がたまっていってしまうのかについては、まだすべてが解明されてはいません。
その中にあって、いまは「アルツハイマー病」が遺伝の影響を受けることがわかってきています。
このうちたとえば「アポE4」遺伝子をもっていると、アルツハイマー病の罹患リスクが3~8倍になるとされています。
「若年性アルツハイマー病」と呼ばれているものです。
ただし、「若年性アルツハイマー病」は、人口10万人あたりで20人ほどしかいませんし、そのうち家族性とされているのは10パーセントにしかすぎないとされています。
さらに遺伝子変異が明らかになったものは、その10パーセントのうち半分程度といわれています。
家族や親族に認知症の方がいても、高齢になってからの発症であれば遺伝の心配はまずないといってよいでしょう。
「アポE4」遺伝子の話を戻すと、日本人の2割がこの遺伝子をもっているとされています。
しかし、だからといって必ず認知症になるというわけではないのです。
たとえばガンにしても、ガンになりやすい遺伝子を受け継いでいるからといって、全員がガンになるわけではありません。
リスクは確かに高くなりますが、そのぶん、生活の中で予防にしっかりと気をつければガンの発症は抑えられやすくなります。
認知症も同じことがいえるのです。
認知症を発症するリスクは、遺伝子を持っていない場合よりは高くなるかもしれません。
でも病気の発症には、どんなものも遺伝的要因と生活習慣の2つの要因が関係しています。
また、家族の場合には、遺伝でなくても生活習慣も自然と似てしまいがちなのも大きいです。
認知症になるかならないかは遺伝子よりも、むしろ生活習慣が重要なのです。
なぜなら、遺伝子を変えることはできませんが、生活習慣のほうはいくらでも変えることができるからです。
脳の機能を落とさない生活を続けることで、認知症のリスクは小さくしていくことができるのです。
「らくらく認知症予防法 生涯健康脳になるコツを教えます! より」
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脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
また、ビタミン欠乏症が原因で、認知症になるケースがあるそうです。
ビタミンの種類は、ビタミンB1、ビタミンB12、葉酸。
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
ビタミンB12について?
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