一万人以上の脳のMRI画像から

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一万人以上の脳のMRI画像から
 
これまで一万人以上の人の脳を、MRI脳画像を使って分析し、診断・治療してきました。
そしてこの経験から達した結論は以下の三点です。
 
1 脳には個性がある
2 脳の形は日々変化する
3 脳は使えば使うほど成長する
 
脳を構成する神経細胞は一種類だけではなく、かつその数は1000億以上もあります。
異なる種類の細胞が集団で活動することによって、複雑な脳の働きを支えているのです。
 
そうした細胞の集団にはそれぞれの役割があり、役割が同じ細胞たちは、脳の同じ部分に集まるように位置しています。
そのため、脳の働きの違いによって脳を約120に区分し、これを「脳番地」と名付けました。
 
人間の脳力が向上するということは、それを司る脳番地が成長するということです。
その際には、単一の脳番地が働くのではなく、複数の脳番地が連携して活動しています。
 
たとえば人と会話をするときには、音声を聞く聴覚系脳番地、言葉を聞き分けて意味を理解する理解系脳番地、さらに相手の表情を読み解く視覚系と感情系脳番地、そして話をするための伝達系脳番地が連携して働いているのです。
 
また、脳の神経細胞からは「神経線維」という回路が伸びています。
これは、神経細胞が発する情報を、ほかの神経細胞に伝達するケーブルのような役目を果たしています。
 
そしてこの神経細胞が活発に働くと、神経線維が集まる「白質」という部分がだんだん太くなり、扇状に広がっていきます。
これは正式には「髄鞘(ずいしょう)形成」といいますが、その様子をMRIで観察すると、まるで樹木の枝が伸びているように見えるので、「枝ぶり」と呼んでいます。
 
一本一本の枝ぶりは、脳番地へと伸びています。
脳番地が発達すればするほど、枝ぶりは枝先を分岐させて成長していくのです。
枝の数や太さ、成長具合は人によって異なり、同じ形の脳はありません。
一人ひとりの顔が違うように、一人ひとりの脳も違うのです。
 
脳は、人生経験を積み重ねるうちに、生まれ持った神経細胞の遺伝子を超えて成長していく、ということです。
 
たとえば胎児の脳は、最初ツルツルですが、生まれる10週前くらいになると、少しずつ脳にシワが寄ってきます。
そして生まれたあと、さまざまな経験をすることによって、脳内のネットワークができてきます。
言い換えるなら、このネットワークこそが人間の経験そのものであり、だからこそ脳には個性が生じるのです。
50歳を超えても脳が若返る生き方 より」
 
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ビタミンB12は、もともと悪性貧血を防ぐビタミンとして知られています。
血液細胞が正常につくられるには、ビタミンB12が必要だからです。
それと同時に、脳神経系の働きにも深くかかわっています。
 
根本的な作用に目を向けると、ビタミンB12は、体内のすべてのたんぱく質を修復する働きを持っています。
とりわけ、脳や神経の修復には、ビタミンB12が不可欠なのです。
 
ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。
シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
 
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12なのです。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
 
また、老人の認知症3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
 
ビタミンB12について?
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