体験が脳の形を変えて心に変化が

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体験が脳の形を変えて心に変化が
 
長い人生において、大きな失敗をすることもあれば、絶望的な気持ちになることもあるでしょう。
落ち込む理由は人それぞれですが、多くの人が何かに耐えながら生きているはずです。
 
人間の感情は脳の働きから出現します。
友人からいわれた一言で気分が落ち込んだ場合、その一言から作り出された感情は、自分の脳が働いた証拠といえるのです。
ですから、絶望的な状況から立ち上がる気力を取り戻すための特効薬は、「自分の脳を知ること」だと考えています。
 
人間の遺伝子は一生変わることはありませんが、脳は成長や老化によって形を変えていきます。
MRIで脳を撮影すると、たった1ミリ程度の形の変化まで、正確に捉えることができます。
人の脳を見続けてきて、「脳を知るのは自分自身のいまを知る最も有効な方法だ」と考えるようになりました。
 
古代ギリシャデルポイアポロン神殿の入り口には、「汝自身を知れ」という格言が刻まれていました。
古代ギリシャでは、人の精神や思考を理解することはできませんでした。
だからこそ、このような格言が刻まれたのだと思います。
当時は自分自身を知ることが理想とされていたのです。
 
しかし現代、私たちはMRIを通して脳の変化を見ることで、「汝自身」を知ることができるようになりました。
 
それから研究を続けてきた結果、人が積み重ねた経験が脳の形を変え、それによって人の心や思考に変化が引き起こされるという事実に辿り着きました。
つまり、人の精神や思考を完全に理解することはできなくても、脳の形の変化さえ見れば、その人の内面の変化の一部を読みとれることが判明したのです。
 
一人ひとりの脳の形は、生まれたときに決まっているのではなく、その人の経験によって形づくられていきます。
自分の脳は、ほかの人には真似できないただ一つのもので、まったく同じ脳の形は存在しません。
要するに、自分の精神や思考は、人生経験を通じて自分で形成する、世界でただ一つのものだということです。
 
人の脳の形は、年々変化しています。
脳という器官は、胎児の未熟で無垢な状態から始まり、生まれてからはどんどん成長します。
そして、100年経っても未完成な器官であり続けながら、その人の人生を形にしていく。
ということは、一生涯成長することが脳の大事な役目だということになります。
50歳を超えても脳が若返る生き方 より」
 
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脳の中では、運動会のリレーのように、神経がバトンをつないで、指令を伝達していきます。
しかし、たとえばC地点の神経細胞が倒れてしまい、指令がそこで止まってしまう、という事態が起こります。
このとき、すぐにC地点の神経細胞を救出できれば復活したのですが、時間が経ち、死んでしまって、その指令も届かなくなる。
これが運動麻痺や言語障害の起こる理由です。
 
ところが、脳のすごいところは、C地点から今度はほかのルートでバトンを渡そうとするのです。
新たなルートで、新たなリレーのチームを作り、「言葉を話す」という指令を伝えようとします。
この新チームは、以前のチームのようにバトンの受け渡しがうまくなく、スムーズに指令が届きません。
しかし、何度も繰り返し練習するうちに、だんだんうまく指令が伝わるようになっていきます。
 
このようにして、死んでしまった神経細胞は復元しないけれど、ほかのルートで代用できれば、言葉がある程度話せるようになり、失語症もよくなっていくというわけです。
 
ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
 
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12なのです。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
 
ビタミンB12について?
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