ブドウ糖は脳の主要なエネルギー源

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ブドウ糖は脳の主要なエネルギー源

 

水に溶けやすいブドウ糖は最も利用しやすい栄養素ですが、脳神経細胞のエネルギー源としても重要です。

これには理由があります。

血液によって運ばれてくる栄養素の中には、神経伝達物質と同じあるいは似ているため、シナプスでの情報伝達を妨害するものが含まれています(例えばある種のアミノ酸)。

そのため、脳の血管には「脳血液関門」というフィルターがあって、血液で運ばれてきた栄養素の中から選ばれたものだけが脳の神経細胞に届くようになっています。

エネルギー源となる物質でこのフィルターを通り抜けられるのはブドウ糖だけなのです。

 

脳血液関門

 

この脳血液関門について簡単に説明しておきましょう。

脳内に入ってきた動脈は細かく分かれて毛細血管となり神経細胞やクリア細胞の間に入っていきます。

毛細血管は平板状の内皮細胞が側面でつながって管状になったものです。

通常の組織内を走る毛細血管では、内皮細胞の側面が完全に密着していないため、細胞間に隙間があり、血液によって運ばれてきたブドウ糖アミノ酸などは、その隙間から組織内に出ていきます。

脳内の毛細血管では、内皮細胞どうしが側面で完全に密着しているため、隙間がありません。

そのため、血液中の栄養素は、血管内皮細胞の中を通り抜けて、神経細胞グリア細胞のまわりにある脳間質液中へ出ていかねばなりません。

その際に、血管内皮細胞が神経細胞に害を及ぼさない物質だけを選別することが、脳血液関門の実体なのです。

グリア細胞は血管内皮細胞と神経細胞の両方に密着しているので、ある種の栄養素はグリア細胞内を通って神経細胞に送り込まれます。

そのため、グリア細胞も脳血液関門に関わっていると考えられます。

「老化と脳科学 より」

 

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血液脳関門とは

「薬物の血中から脳内への移行を制限する機能。

アミノ酸グルコースなどの神経活動のエネルギー源となる栄養素は脳内に選択的に輸送されるが、多くの物質は脳内に自由に入るわけではない。

……水溶性の高い物質あるいはタンパク質などの大きな分子はこの関門を通過し難いが、脳毛細血管に発現している多くのトランスポーターによって、栄養素(グルコースアミノ酸ヌクレオチドなど)は選択的に血液脳関門を通過する。

……内皮細胞内に入った毒物・薬物を血中へ戻すことにより脳内への侵入を妨げていることが知られている。」(日本薬学サイトより)

 

脳は脂肪成分が多く、その量は60%とも言われています。

脳の中身を考えても血液脳関門を水溶性の高い物質が通過しにくいということがわかるのではないでしょうか。

さらに、血液脳関門を通過できるということは、脳にとって栄養となる重要な意味を持つ物質と考えられるでしょう。

 

ビタミンB12は水溶性ですが、脂肪成分と馴染みやすい構造を持っています。

脳はタンパク質とともに脂肪成分を多く含む器官です。

そのためビタミンB12は血液脳関門を通過できるという特徴を持った貴重な栄養素なのです。

 

ビタミンB12は、体にとって重要なタンパク合成と核酸(DNA)合成を司る栄養素です。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

現在、ビタミンB12は神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。

末梢神経の不調はもちろん、中枢神経の機能低下にも有効であることが明らかになっています。

 

ビタミンB12について?

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