◆フルーツジュースの甘くない現実
◆フルーツジュースの甘くない現実
果物には、ビタミン、ミネラル、食物繊維が多く含まれ、これまでの疫学研究により、果物を定期的に食べる人では、心血管病、大腸がん、うつ病などのリスクが低くなることが報告されています。
また、83万人を対象にした研究では、1日に食べる果物が1品増えるごとに死亡のリスクが6%ずつ下がることも示されており、果物は健康的な食品として位置付けられています。
しかし、果物は、どのような形で摂取しても健康増進に寄与するものなのでしょうか。
一般的にブドウ糖(グルコース)や果糖(フルクトース)などの単糖類は、水溶液中では分子が開いた状態か閉じた状態のいずれかで存在しています。
分子が開いた構造の糖は、タンパク質のアミノ基と反応しやすく、老化の元凶である終末糖化産物、AGEつくりだしやすいことが知られています。
ブドウ糖はほとんどの分子が閉じた構造をとるため、極めてAGEをつくりにくい糖だといえますが、一方、果糖は一部、開いた構造をとるため、ブドウ糖に比べ約10倍のスピードでAGEを生成します。
このため、果糖の過剰摂取は、AGE蓄積させ、糖尿病や心臓病のリスクを高めて老化を加速させる可能性があるのです。
実際、19万人を対象とした研究で、フルーツジュースを1日に1杯以上飲む人は、そうでない人に比べて糖尿病に21%かかりやすくなり、週に3杯程度のフルーツジュースの飲用でも有意に糖尿病にかかりやすくなることが示されています。
また、別の研究でもフルーツジュースは、甘味飲料や人工甘味飲料と同様に糖尿病発症のリスクを高めることが明らかにされています。
果物はジュースに加工されると、食物繊維の80%が失われるため、糖の吸収効果が高まり、食後の血糖値の上昇やAGEの蓄積を介して糖尿病の発症を高めてしまうのかもしれません。
また、果物を丸ごと食べるのとは違い、ジュースは時間をかけずにすぐにとれてしまうため、飲みすぎてしまうきらいもあります。
ちなみに、果糖はブドウ糖や砂糖(ブドウ糖と果糖が1:1で結びついた二糖類でショ糖とも呼ばれる)よりも甘く、冷やすと甘みが強くなることが知られています。
これは、果糖は温度が下がると甘みの強い構造体の割合が増えるからです。
したがって、冷やしておいしい果物(例えば、りんごやなしなど)のジュースは、果糖の含有量が多く、AGEをため込みやすい飲み物だともいえるのです。
また、ジュースでなくとも果物の缶詰を月に1回以上食べる人では、そうでない人に比べて死亡のリスクが高くなることも明らかにされています。
さらに、果糖の過剰摂取が、脂肪肝や痛風のリスクになることが報告されていますから、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」。
食と健康においても、この言葉はまさに至言といえるでしょう。
特にフルーツジュースには、甘くない現実があるのです。
「老けない人は何が違うのか より」
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各栄養素にはそれぞれ役割があり、互いに作用し合って初めて「栄養」として働きます。
多種類の栄養素が機能を発揮し、効率よく利用されるしくみがヒトの体には整っています。
たとえば、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB群などが必要で、ビタミンB群が活性化するには各種のアミノ酸やミネラルが必要、…というように、栄養素を利用するにはほかの栄養素の働きが不可欠です。
よく、ヒトは1人では生きられないといいますが、栄養素もひとつだけでは機能しません。
ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類を総称して「ビタミンB群」と呼んでいます。
8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、B群は、体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
ビタミンB12は水溶性と脂溶性という特徴を併せ持つため体の隅々にまでいきわたりさまざまな働きをします。
細胞の生成にとって重要な核酸(DNA)・たんぱく質の合成や末梢神経(手足)、 中枢神経(頭)、認知機能に関わりがあるため、健康維持に無くてはならない栄養素なのです。
細胞が入れ替わることにより若さにもつながると考えられます。
ビタミンB12について?
http://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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