第1章 日記に書き「出す」

第1章 日記に書き「出す」

 

出来事を「書き入れる」入力作業も、

その前に書き入れることを

「思い出す」作業があってこそ。

平凡な1日にも必ず「思い出せる出来事」があるもの。

日記は「記憶を引き出すトレーニング」になる。

 

子どもの頃、夏休みの宿題で毎日「日記」を書かされたことのある方も多いと思います。

家族で旅行に行ったり、友達と遊んでいて何か特別に面白いことがあった日ならともかく、「今日は何を書いたらいいのだろう」と悩ましい日もあったことと思います。

 

まして大人になって、毎日決まりきったルーティンで日々を過ごしていると、「日記を書く」なんて不可能のように思われてきます。

しかし、特に何もなく、記憶に残るようなこともない平々凡々な1日ほど、「出力系」を鍛えるには格好のチャンスなのです。

 

 

「今日は誰と会い、どんな話をしたか」「昼に何を食べ、それは美味しかったか」「通勤途中や散歩途中で何を見かけたか」――そんな「何でもないこと」も、思い出そうとしなければ「記憶にない」ことで終わってしまいますが、「思い出そう」とすれば、必ずや何かしら記憶から引っ張り出されてきます。

 

日記といっても、何も長々と文章にしなくても、ほんの数行でもかまいませんし、あるいはツイッターのような「つぶやき」の形で書き出すだけでもよいのです。

 

つまり日記は書き「入れる」ものではなく、書き「出す」もの。

 

「思い出すトレーニング」と考えれば、三日坊主にもならずに済むのではないでしょうか。

 

 

ブログやフェイスブックを始める

 

ブログやフェイスブックは不特定多数に向けての「公開日記」。

思い出したことを

「他の人にもわかるように」書き出すことで、

一層「出す力」にも磨きがかかる

 

日記はあくまでもプライベートのもの、自分だけがわかればよいのですが、ブログやフェイスブック(以下FB)は不特定多数の人たちに公開されるだけに、他人にもわかるような書き方でなければそこに「書き出す」意味もなくなってしまいます。

それゆえ、日記よりはるかに言葉遣いや表現に気を遣うことになるので、「表現力=出す力」のトレーニングになります。

 

多くの人は日常、「考えて文章を書く」という機会はほとんどないのではないでしょうか。

仕事の予定を手帳に書き込む、会議の要点をノートに記録する、電話の内容をメモする――これらはあくまで書き「入れる」作業であり、記憶や考えを書き「出す」作業とは一線を画します。

 

またビジネス文書や企画書などを書くことはあっても、これらもどちらかというと、定型パターンに従って、資料や文献から必要事項を書き「入れる」作業に近いといえます。

 

脳の中のあちらこちらに散らばった情報や知識や記憶を引っ張り出してきて、さらにそれらを、他人にも理解できるように書き出す――そのように書こうと思うと最初はそれなりに時間もかかるかもしれませんが、やっているうちに前頭葉のサビつき部分にも潤滑油が注入され、スムーズに働くようになります。

「50代からはじめる老けない人の「脳の習慣」 より」

 

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記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。

その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。

脳が老化し、萎縮してしまうアルツハイマーとの関係はとくに深く、アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。

 

アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。

同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。

通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。

 

レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。

とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。

血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。

これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。

そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。

 

また、脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。

B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。

糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。

また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/