第2章 甘いペットボトル飲料は百害あって一利なし
子どもや若者にも危険性“大”
ペットボトルに入った甘い清涼飲料水は手に入りやすく、好きなタイミングで水分補給ができるため、世代や男女を問わず飲んでいる人が多くいます。
しかし、飲み続けていると時に恐ろしい事態にもなります。
熱中症などを避けるために、医師がスポーツドリンクを勧める場合などもありますが、以前、熱中症になり、そういった指導を受けた女性が、その経験から部活をする息子さんに1.5~2リットルのスポーツドリンクを1年以上毎日持たせていた結果、息子さんは昏倒し、重度の糖尿病であることがわかったケースもあります。
このケースに限らず、糖質の多いペットボトル飲料の過剰摂取が原因で糖尿病を発症(ペットボトル症候群)する10代の若者は増えており、日本に限らず世界的な問題にもなっています。
命に危険がおよぶ糖尿病の恐怖
糖質たっぷりのジュースやスポーツドリンクなどを日常的に大量に飲んだらどうなるでしょうか。
万が一、糖尿病を発症し、インスリンが枯渇してしまうと、糖質を含む清涼飲料水を1本飲んだだけで血糖値は急上昇し、命の危険に陥る可能性もあります。
脱水症状や、のどの渇きを潤すには、糖質の含まれないお茶や水を飲むようにしましょう。
ペットボトル症候群の発症イメージ
清涼飲料水を飲み過ぎると……
↓
↑ もっと飲みたい!
↓
血糖値が上昇↑
↓
インスリンが減少↓
↓
だるさや意識障害
糖尿病発症
清涼飲料水500mlあたりの糖分量
炭酸飲料水A:糖質量56.5g:角砂糖で換算すると約15個
炭酸飲料水B:糖質量57.5g:角砂糖で換算すると約16個
炭酸飲料水C:糖質量50.5g:角砂糖で換算すると約13個
スポーツドリンクA:糖質量31.0g:角砂糖で換算すると約9個
スポーツドリンクB:糖質量21.0g:角砂糖で換算すると約5個
紅茶系飲料A:糖質量35.0g:角砂糖で換算すると約10個
紅茶系飲料B:糖質量39.0g:角砂糖で換算すると約11個
コーヒー系飲料:糖質量19.9g:角砂糖で換算すると約5個
乳酸菌飲料:糖質量55.5g:角砂糖で換算すると約15個
天然果汁系飲料:糖質量55.5g:角砂糖で換算すると約15個
「糖質の話 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。
ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
ビタミンB12について?