第2章 食物繊維が肥満と腎機能の悩みを一気に解決する
▼食物繊維で腎臓の負担を軽減
厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、食物繊維の摂取目標量は成人男性で1日21グラム以上、成人女性では18グラム以上とされています。
この数字だけを見ると目標量の確保は簡単そうに思えますが、たとえばこれをレタスに換算すると毎食2玉以上、1日合計2キロ(6~7玉)は食べなければならない計算になります。
食事の付け合わせに小鉢のサラダを食べるくらいではまったく話になりませんね。
食物繊維をたっぷり摂ることで肥満を防ぎ、腎臓の負担を減らすことができますが、ただ漫然と野菜を食べているだけでは十分な量を確保することはできません。
普段よく食べる野菜のほかにも海藻やきのこ、豆類、果物など食物繊維を豊富に含む食材はたくさんあります。
比較的手に入りやすく身近な食材で、かつ食物繊維の豊富なものをまとめてありますので、メニューを考える際の参考にしてみてください。
なお、これらの食材のうち、海藻やきのこ類は低カロリーでヘルシー。
乾燥きくらげやケール、緑茶などに多く含まれる水溶性食物繊維にはコレステロールの吸収を抑える働きがあります。
揚げ物や肉料理を食べるときにはこうした食材をプラスすることで、腎臓にやさしい食事を心がけましょう。
▼食物繊維が豊富な食品ランキング
- 食物繊維・水溶性食物繊維を多く含むおもな食品(単位:g)
※数値は食品の可食部100gあたりの含有量
しろきくらげ(乾):食物繊維68.7:水溶性食物繊維19.3:不溶性食物繊維49.4
乾しいたけ:食物繊維46.7:水溶性食物繊維2.7:不溶性食物繊維48
せん茶:食物繊維46.5:水溶性食物繊維3:不溶性食物繊維43.5
とうがらし(乾):食物繊維46.4:水溶性食物繊維5.4:不溶性食物繊維41
紅茶:食物繊維38.1:水溶性食物繊維4.4:不溶性食物繊維33.7
カレー粉:食物繊維36.9:水溶性食物繊維6.5:不溶性食物繊維30.7
かんぴょう(乾):食物繊維30.1:水溶性食物繊維6.8:不溶性食物繊維23.3
青汁・ケール:食物繊維28:水溶性食物繊維12.8:不溶性食物繊維15.2
ピュアココア:食物繊維23.9:水溶性食物繊維5.6:不溶性食物繊維18.3
切干だいこん(乾):食物繊維21.3:水溶性食物繊維5.2:不溶性食物繊維16.1
いんげんまめ(乾):食物繊維19.6:水溶性食物繊維3.3:不溶性食物繊維16.2
ブルーベリー(乾):食物繊維17.6:水溶性食物繊維3:不溶性食物繊維14.7
えんばく オートミール:食物繊維9.4:水溶性食物繊維3.2:不溶性食物繊維6.2
おおむぎ 押麦(乾):食物繊維7.9:水溶性食物繊維4.3:不溶性食物繊維3.6
えだまめ(冷凍):食物繊維7.3:水溶性食物繊維1.4:不溶性食物繊維5.9
プルーン(乾):食物繊維7.1:水溶性食物繊維3.4:不溶性食物繊維3.8
バナナ(乾):食物繊維7:水溶性食物繊維2:不溶性食物繊維5
糸引き納豆:食物繊維6.7:水溶性食物繊維2.3:不溶性食物繊維4.4
豆みそ:食物繊維6.5:水溶性食物繊維2.2:不溶性食物繊維4.3
ドライマンゴー:食物繊維6.4:水溶性食物繊維2.8:不溶性食物繊維3.6
そらまめ おたふく豆:食物繊維5.9:水溶性食物繊維1.4:不溶性食物繊維4.5
モロヘイヤ 茎葉(生):食物繊維5.9:水溶性食物繊維1.3:不溶性食物繊維4.6
ごぼう 根(生):食物繊維5.7:水溶性食物繊維2.3:不溶性食物繊維3.4
ライ麦パン:食物繊維5.6:水溶性食物繊維2:不溶性食物繊維3.6
アボカド(生):食物繊維5.6:水溶性食物繊維1.7:不溶性食物繊維3.9
ミルクココア:食物繊維5.5:水溶性食物繊維1.3:不溶性食物繊維4.2
だいこん 根 皮なし(生)おろし:食物繊維5.1:水溶性食物繊維1.4:不溶性食物繊維3.7
オクラ 果実(生):食物繊維5:水溶性食物繊維1.4:不溶性食物繊維3.6
「腎臓の話 より」
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イタリアで、子供に完全菜食を強いる親に対し、禁固刑の罰則を与えるという変わった法案が議会に提出されました。
肉や魚を食べない人を菜食主義者の「ベジタリアン」と呼ぶのに対し、肉や魚だけでなく、卵、バター、はちみつなど、動物搾取による製品も食さない人を完全菜食主義者の「ビーガン」と呼んでいます。
つまり、イタリアでは、子供に肉、魚、卵などを与えないビーガンの親は、法律で罰せられるべきという議論が持ち上がっているのです。
イタリアでは、ビーガンが人間にとって、著しく健康に良いという考えが普及した結果、動物性の食物をすべて取り除いた食事を子供たちに強要する傾向が見られるのです。
このブームが影響し、ここ最近では、乳幼児や2歳の子供たちが栄養失調で病院に運ばれ、時には、危篤状態に陥る事態などが発生。
幼少時に必要なプロテイン、ビタミンD、B12、カルシウム、オメガ3、鉄分などがビーガンには足りないという問題が危惧されているのです。
お肉には、私達の体が必要とする必須アミノ酸がバランスよく豊富に含まれています。
それに匹敵するほど効率よく必須アミノ酸を私達の体に提供できる野菜はありませんから、お肉を食べずに体を健康的に保つには、それなりの方法を知らなくてはなりません。
ビタミンB12を含む穀類、イモ類、野菜、果物、種実はありませんから、ビタミンB12の欠乏症に陥るベジタリアン/ビーガンが多いのが現状です。
動物性食品以外では、発酵食品、海苔に含まれているのみです。
これだけは必ずしっかり毎日の食事に加えるようにしましょう。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
ビタミンB12は、胃の粘膜から分泌される内因子という糖タンパクと結合し、腸で吸収されます。
そのため胃の病気や高齢で吸収が悪くなっている人などの場合は吸収されにくくなるので、欠乏症状が現われやすくなります。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
同時に、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
ビタミンB12について?