長年の便秘が治った、便秘外来での「言い方」
ある日、便秘外来を訪れた患者さんが、「便は出るんだけど、おなかの張りがとれなくて辛い」と、しきりに訴えてきました。
そこで、こう言いました。
「おなかが張っていても、便が出ていればよしとしましょうよ。毎日でなくてもいいですからね」
すると、その患者さんが次に訪れた際、こう言ったのです。
「先生が、便が出ていれば大丈夫とおっしゃったので、そんなもんかと、急に気が楽になって。そうしたら、自然とおなかも張らなくなってきたんです」
この患者さんは、おなかの張りに長い間悩まされ、辛くてたまらないと、ずっとおなかの張りを憎んでいました。
腸は、副交感神経が優位な時に活発に働くのですが、この方の場合は、ネガティブな感情によって交感神経が優位になり、腸の働きを阻害していたのです。
しかし、「おなかの張りを治さなくてはいけない」というプレッシャーから解放されたことで、副交感神経が高まり、自律神経のバランスが整って、おなかの張りという症状が薄れていったのです。
「言い方」で相手をプレッシャーから解放してあげることが、自律神経を整えて、健康を引き寄せる近道なのです。
食欲がない時は、「食べたくなったら言って」
たとえば、大切な相手に食欲がない時。
どんな言い方で励ましますか?
「食べないとダメだよ」
この「言い方」は、自律神経的には、典型的なNG例です。
なぜなら、相手もそんなことは充分わかっているからです。
わかっているけれど、胃腸の調子が悪かったり、心が沈んだりしていて、食べたくても食べられないのです。
そんな相手に対してこのような言い方を投げかけるのは、まったく空気が読めていません。
相手にしてみたら、「そんなことはわかってる!」と、イライラがふくらみ、さらに食欲を減らしてしまうことでしょう。
ですから、こういう時は次のような言い方がベストです。
「食べたくなったら言って」
相手を、「食べなくてはいけない」というプレッシャーから解放してあげるのです。
そうすることで、相手は気持ちにゆとりが生まれ、自律神経のバランスが整い、少しずつ食欲も回復してきます。
大切なのは、相手を言葉で追い詰めないことです。
あなたの言い方次第で、相手の体調はもとより、人生さえも幸せに導いてあげることができるのです。
どうすることが正しいかわかっていても人からそれを促されると、反抗したくなる気持ちは誰にでもあると思います。
「早く宿題しなさい!」と言われて、「今からやろうと思ってたのに! もうやる気がしなくなった」という子供の真理と同じです。
相手を変に追い詰めず、客観的に省みられるような言い方をしてあげると、相手は自分の健康に気を配れるようになると思います。
そして、相手をプレッシャーから解放し、自律神経のバランスを整えることで得られる健康上のメリットは、大きいでしょう。
「自律神経を整える 人生で一番役に立つ「言い方」 より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
脳を酷使するときにも、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
ビタミンB12について?