調子がいい・悪いは、時間帯によって変動する
自律神経が安定している時は、基本的に正しい言い方ができるので大丈夫です。
しかし、自分の自律神経がどのような状態であるのかは、自分ではなかなかわかりません。
自律神経が乱れる要因と、その時の自分の状態を照らし合わせて、自分が今どのような状態にあるのかを客観的に把握することです。
そして、それに応じて落としどころまであらかじめ考えておくのです。
自律神経のバランスを崩す要因は、主に8つあります。
「体調」「予期せぬ出来事」「環境」「自信」「天気」「相手の様子」「時間」「感情」
体調が悪いと、自律神経のバランスが乱れるというのはイメージしやすいと思います。
細胞の一つひとつが弱っていたら、同じ体の中にある自律神経も、いつも通りというわけにはいかないからです。
他にも、予期せぬ出来事が起きたり、環境が悪かったり(デスクが散らかっている、嫌なニオイがするなど)、大事なプレゼンを控えているのに準備不足で自信がなかったりなど、自分にまつわるほんの少しの刺激で、自律神経は乱れてしまいます。
そして、一見無関係に思えることも、実は我々の自律神経を乱します。
たとえば、晴れている日は自律神経のバランスが整いますが、雨や曇りなど、どこか煩わしさを伴う天候の場合、バランスは乱れます。
相手の様子や時間的余裕の有無も、大きく影響します。
そして、欲望や嫉妬、虚栄心などさまざまな感情をまとっている場合も、交感神経が優位になり、バランスが乱れます。
このように、自律神経は、ほんの少しの刺激ですぐに乱れてしまうので、自分の現在の状態をあらかじめ検証しておくことが大切です。
そのうちのひとつである「時間」について、少し詳しく説明したいと思います。
時間に遅れそうでバタバタしたり、発言時間が5分しかなくてあせったりすると、自律神経のバランスは乱れますが、実は、その時の「時間帯」によっても自律神経のバランスは異なるのです。
交感神経と副交感神経のバランスは、時間帯によって変動していて、一般的に、朝から日中にかけては交感神経が優位になり、夕方から夜にかけては副交感神経が優位になります。
交感神経と副交感神経は、ともに高いレベルにあるのが理想的なバランスです。
そのため、「どちらも高い位置で横ばいを維持するのが一番いいのでは?」と、思われる方もいるかもしれません。
確かに、どちらも高い位置を維持するのが最もよいバランスです。
しかし、交感神経と副交感新家は、常に上がったり下がったりして互いにバランスを取り合っているため、同レベルで横ばいになることはありません。
グラフに表すと交感神経と副交感神経は必ずクロスします。
大切なのは、なるべく高い位置でそれぞれが推移し、上下の幅が少ない(自律神経の崩れが少ない)状態を維持することです。
重要な会議は、午前8~10時か午後4~6時に
体が生み出すこの自然なバランスを利用すれば、一日のパフォーマンスを最大限に高めることができます。
たとえば、朝の8~10時は、朝食を食べて交感神経が高まってくると同時に、副交感神経も比較的高い位置にあるので、非常にバランスが整っている時間帯です。
会議や重要な仕事など、集中力やひらめきを要する仕事を行うのに最も適しています。
この貴重な時間帯を、メールのチェックや仕事の準備に使うのは、非常にもったいないことです。
昼食前後は、「食べる」という行為による刺激と楽しさで、交感神経が優位になります。
また、急いで食べた時にはリバウンドで副交感神経が急上昇するなど、自律神経のバランスが乱れがちなので、メールの処理や資料整理など、脳や体をならす程度の仕事を行うのがよいでしょう。
午後4~6時は、再び自律神経のバランスが整ってくる時間帯です。
優位になっていた交感神経が低下してくるいっぽう、副交感神経は盛り返してくるので、クロスの幅が少なくなります。
重要な会議や決断をするのに適しています。
夕方以降は、副交感神経が優位になります。
いわゆるリラックスモードになってしまうため、ダラダラ仕事をしてしまいがちです。
また、夜の接待での商談も、あまり効率的とは言えません。
アルコールが入ることで副交感神経がさらに上がり、仕事の話に身が入らなくなってしまいます。
商談は、「言い方」による駆け引きです。
自律神経のバランスが整っている時間帯に行ってこそ、有利に進めることができます。
「自律神経を整える 人生で一番役に立つ「言い方」 より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
脳を酷使するときにも、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
ビタミンB12について?