集中を促す音、妨げる音
集中を促す音、妨げる音
まだ慣れていない人にとって、運動だけに集中するというのは、やさしいように見えてかなり難度の高いワザです。
そこで、誰でも簡単に集中できる方法を1つお教えしましょう。
それは、ノリのいい音楽を聴きながらリズム運動をすることです。
音楽プレーヤーにアップテンポのリズミカルな曲を入れておいて、そのリズムに合わせて体を動かすのがよいでしょう。
そうした音楽をイヤホンやヘッドホンで聴いている限り、人間はほかのことを考えられません。
そこから脳がそのリズムに集中しはじめて、やがて歩くことに集中できるようになるのです。
これはウォーキングだけに限りません。
スクワットでも同じこと。
音楽を聴きながら運動することで、セロトニン神経の活性は間違いなく高まります。
ただ、同じ音楽でも、歌詞がついている音楽はおすすめできません。
歌詞の内容が耳に入ってくれば、それがどんな内容なのかを無意識にでも知ろうとする働きが起こります。
すると、どうしても大脳皮質にある言語野といわれる部分が働いてしまうのです。
このように、音は大きく分けて2種類あります。
1つは言語脳を働かせる音、もう1つは言語脳を働かせない、いわば純粋な音です。
川のせせらぎや風の音などは、後者に当たります。
それは心地よいだけの音であり、大脳皮質を働かせることはありません。
一方、知人とのおしゃべり、テレビ・ラジオの音、歌詞がある歌といった音が耳に入ると、その音は神経細胞を伝わって、それがどういう意味を持つのかを言語脳を働かせて解析することになります。
そうなると、運動をしていてもセロトニン神経は活性化されなくなってしまうのです。
歩きながら英会話のテープを聴いている人もいますが、それもやはり言語脳を働かせることになるので、セロトニン神経には効果がありません。
効果があるのは、歌詞がついていないリズムのある音です。
「脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣 より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
ビタミンB12について?