第4章 日中、心がけたい習慣
時々、顎を押す
ネコ背は、肺活量が3割以上減少する
電車や街中で人の様子を見ていると、姿勢が悪い人が多いですね。
なかでも一番気になるのが、背中を丸めたネコ背の人です。
ネコ背になると内臓が圧迫され、毛細血管が圧力を受けます。
その結果、血圧が高くなってしまいます。
さらに、肺活量が減少します。呼吸器内科の専門医、池袋大谷クリニックの大谷義夫院長は、背筋を伸ばした姿勢では5440mlだった肺活量が、スマホ操作中のネコ背の人は3720mlに減少する、と指摘しています。
肺活量が減ると、酸素の吸入量が減ります。
すると、血液の質が悪くなり、血管にも悪影響を及ぼします。
顎押し習慣で、ストレートネックを防ぐ
人間の背骨(脊柱)は、7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎、さらに仙骨と尾骨からなっています。
これらの骨が緩やかなS字カーブを描いて体を支えています。
そして、一番上に重たい頭を乗せても、バランスが取れるようになっているのです。
ネコ背になると、頭が前に出るためにバランスが崩れ、腰痛や肩こりの原因となります。
頭の重さは体重の10分の1ですから、6キロほどもあります。
ネコ背になる一番の原因は、スマホやパソコンの操作による前屈みの姿勢です。
姿勢が悪くなる過程で最初に現れるのは、首が前に出る「ストレートネック」という症状です。
「首が30度傾くと18キロ、60度傾くと27キロも余計な力がかかる」という報告があります。
首に27キロの重りをぶら下げているのです。
腰や背中が痛くなって当然ですね。
ストレートネックを予防するためには、「顎押し」が効果的です。
背筋をまっすぐに伸ばして、胸を張ります。
そして、胸を前に出しながら、顎を持って首を真後ろにグイッと押すのです。
このときに、下に押すのではなく真っすぐ後ろに押すのがコツです。
仕事中でも、時々グイッと顎を押す習慣をつけましょう。
「顎押し」のやり方
親指と4本の指で顎をしっかり持つ。
背筋を伸ばし、胸を張る。
顎をしっかりと押さえて、まっすぐ後方に押しながら首をグイッと押し込む。
顎を引くのではなく、押し込むのがポイント。
座った姿勢でもできる。
「血管が強くなる習慣 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、活性酸素やホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。
ビタミンB12について?