第5章 寝る前に「だ液腺マッサージ」をする
だ液を分泌する3つの腺
寝ているときのだ液分泌減少・口呼吸によるドライマウスは、睡眠時に血管にダメージを与える大きな要因の1つです。
ドライマウスは、「殺菌作用がある唾液が足りない状態」と言い換えることができます。
だ液が足りないために乾燥すると、悪い細菌が発生しやすくなります。
口内細菌のなかには、インスリンの働きを阻害する超悪玉菌の歯周病菌も含まれます。
インスリンは腸にまで入り込んで、腸内環境を乱します。
また、認知症の原因になることもわかってきました。
人間には、だ液を分泌する代表的な3つの腺があります。
それぞれ、耳下腺、顎下線、舌下線といいます。
食事をしたり話をしたりすると、これらの腺が刺激されて、口の中がだ液で満たされるのです。
だ液が出なければ、食べものを飲み込むことも、滑舌よく話すことも不自由になってしまいます。
3カ所のだ液腺をグーッと押す
だ液を出すための秘策は、だ液腺のマッサージです。
腺を的確に押すと、すぐにだ液が染み出してきます。
まず、だ液腺の位置を確かめましょう。
1.耳下腺は、上の奥歯あたりの頬にあります。ここに親指以外の4本の指を当て、後ろから前に円を描くように回してみてください。ジワリとだ液が出てくるので、すぐにわかります。
2.顎下線は左右の顎の骨の内側にあります。耳の下に指の腹を当て、骨の縁の柔らかい部分を顎の先に向かって押していきます。このとき、軽く圧迫するように押すのがコツです。
3.舌下線は顎の先端にあります。口の中の舌を押し上げるつもりで、両手の親指を合わせてグーッと押してみましょう。
だ液腺マッサージを寝る前に行なうと、睡眠時のドライマウス防止に役立ちます。
もちろん、日中の他の時間帯に行なうのもおすすめです。
「口の中が乾いたな」と思ったら、グーッと押してみましょう。
「だ液腺マッサージ」のやり方
耳下腺
上の奥歯あたりに4本の指を当てて、後ろから前に向かって円を描くようにマッサージ。
顎下線
親指を顎の骨の内側の柔らかい部分に食い込ませて、耳の下から顎まで順番に真上に押していく。
舌下線
両手の親指を揃えて、顎先の骨の内側から、舌を押し上げるように真上にグーッと押す。
「血管が強くなる習慣 より」
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
ビタミンB12、葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?