第1章 「食後にガム1枚」を習慣にする
第1章 「食後にガム1枚」を習慣にする
よく噛んで血流を増やすといっても、食事は通常1日3回だけです。
なかには1日2食の人もいるでしょう。
一口当たりの咀嚼回数を増やしたとしても、1日2~3回しか噛むチャンスがないと、血流をアップする効果も限定的になりがちです。
そこで積極的に活用したいのが、チューインガム。
「転ばぬ先の杖」ならぬ、「転ばぬ先のガム」と患者さんにもよく進めています。
商品によっても異なりますが、1枚(1個)のガムを味がなくなるまで噛み続けると、そしゃく回数は550回にもなるそうです(1枚3gの場合、日本チューインガム協会のホームページより)。
3食の食後に1枚のガムを噛むことを習慣にするだけで、1食620回とされている現代人のそしゃく回数を3倍近くに増やせる計算になります。
続けることが大切ですから、ガムはお気に入りの味でいいでしょう。
虫歯の原因となる酸をつくらない甘味料「キシリトール」を配合したシュガーレスのガムなら、虫歯になる心配もありません。
虫歯で歯を失うと噛む力が衰えますし、歯の本数が減ると認知症リスクが高まるという研究もあります。
ただし、キシリトールを一度にたくさん摂取すると、体質によってはお腹が緩くなることもありますから、食べすぎ(噛みすぎ)には気をつけましょう。
※ポイント 食後のガムで「噛む力」を鍛えましょう
「一生ボケない習慣 より」
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「老化」と聞いたとき、どんな変化を思い浮かべますか?
顔のシミやシワ、老眼、体力の衰え……。
それらももちろん老化の1つですが、根本的な老化とは「血管が衰えること」です。
わかりやすく言うと、血管の衰えとは「動脈硬化」のことです。
動脈硬化とは、血管が「硬くなること」「狭くなること」「血栓で詰まりやすくなること」。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割程度にしか高コレステロール血症が見られないことから、これまで長い間、コレステロール以外に動脈硬化の原因となるものがあるのではないかと考えられていました。
そうして、ホモシステインがそのひとつの原因だと注目を集めるようになりました。
このホモシステインが動脈の壁に沈着すると、酸化される過程で血栓を引き起こし、血管を傷害して動脈硬化を引き起こすのです。
ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
ビタミンB群は、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
ビタミンB12について?