第2章 スーパーやコンビニでは、無人レジより有人レジ

第2章 スーパーやコンビニでは、無人レジより有人レジ

 

要介護・要支援にならなくても、高齢になると身体機能が少しずつ衰えてきて、家族の支えが必要になる場面が増えてきます。

 

そうした場面で口にしてほしいのは、「ありがとう」のひと言です。

支えてくれている人に、感謝の気持ちを素直に伝えてほしいのです。

 

ヒトの脳には、「報酬系」というしくみがあります。

快感などを報酬として得られる行為は、またやりたくなります。

その点、“群がり動物”であるヒトの脳にとって「ありがとう」は、大きな報酬なのです。

 

「ありがとう」という言葉で感謝を伝えれば、相手は報われたと感じるでしょう。

そこに絆とコミュニケーションが生まれるので、孤独に陥る心配も大幅に減らせます。

 

 

「ありがとう」という言葉を発するときは、相手がしてくれたことに思いを馳せることでしょう。

それだけでも、脳は活性化します。

 

「ありがとう」という感謝の言葉をかけてもらった側も、それを聞くと、あらためて相手のことを考えます。

そのときにも脳は活性化します。

 

日頃の会話が減っていると感じるなら、認知症リスクを避けるためにも、「ありがとう」がいえる場面がないか、探してみましょう

 

 

「ありがとう」というシンプルな言葉は、絆を強めて孤独から私たちの脳を守ってくれる魔法の言葉ともいえます。

 

家庭の外でも、積極的に活用しましょう。

それも他人との絆を強めて、孤独に陥らないきっかけをつくってくれます。

 

とくに1人暮らしだと、「ありがとう」を伝える相手が身近にいません

そこで、コンビニやスーパーなどで買い物をしたとき、宅配で荷物を受けとったとき、あるいはデパートや駅のエレベーターで「開」ボタンを押して待ってもらったときなど、笑顔をとともに「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えることです

 

 

近所のコンビニやスーパーの店員さん、毎度届けてくれる宅配便ドライバーさんなどは、だいたい顔ぶれが決まっています。

 

そういう間柄で「ありがとうございます」と声をかけ続けていると、そのうち「今日は暑いですね」とか「雨がなかなかやまなくて困りますね」といった言葉を交わすようにもなるでしょう

 

ほんのささいな言葉のキャッチボールでも、脳を使いますから、血流が活性化して認知症の予防につながります

遠くの親戚より近くの他人。

顔なじみの他人との小さな関わりは、立派な絆なのです。

 

以前は「井戸端会議」もありましたが、現代では隣人との関わりも減ってきています。

それだけに「ありがとう」を介した“近くの他人”との小さな絆は大切にしたいものです。

 

買い物も人的交流もインターネットを通じて行われることが多くなり、人とリアルに関わる機会は減る傾向にあります。

リアルな関わりを煩わしいとさえ感じる若い世代には、ネットでの交流は好都合なのかもしれません。

 

しかし、孤独による認知症が眼前の危機となっている世代には、他者とのリアルな関わりが減ってしまうのは死活問題です。ヒトという動物は、もともと「群れ」で暮らす“群がり動物”です。

 

 

商店街で買い物をしていた時代には、好むと好まざるとにかかわらず、時候の挨拶に始まる会話がともなっていました。

 

時代が移り変わり、コンビニやスーパーが台頭し、商店街をシャッター街に変えると、まるで自動販売機で買い物をしているかのように“近くの他人”との会話が激減しました。

 

省力化と効率化のために、コンビニやスーパーには無人のセルフレジも登場しています。

ルフレジでは「ありがとう」はいえませんし、そこから発展して会話のキャッチボールが生じる可能性もありません。

 

ささいなことですが、有人のレジと無人のレジがあったら、あえて有人のレジを選んで列に並んでみましょう。

そして「ありがとう」という機会を少しでも増やしてください。

 

※ポイント 普段の生活でリアルな人との関わりを積極的に増やすようにしましょう

「一生ボケない習慣 より」

 

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人の体の老化は20代ごろから始まります。

老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。

30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。

健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

 

認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

 

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、活性酸素やホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。

 

ビタミンB群は、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。

また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/