第5章 「定説」を疑ってみる!自分だけの健康知識を身につける
血圧、血糖値「低すぎる」ことのほうが大問題
血圧にかぎらず血糖値やコレステロール値も「ちょっと高め」くらいがちょうどよいと考えています。
これはBMI(ボディ・マス・インケージ)にも通ずることで、やせすぎの人より小太りの人のほうが健康で溌剌としている印象があります。
そのような感想を持つようになったのは、勤務していた高齢者施設での経験です。
この施設で血糖や血圧の薬を飲み続け「元気や意欲をなくしている高齢者」を山ほど見てきました。
これは問診で話をしてみるとすぐわかります。
血圧や血糖がやや高く、小太りの人は目が輝き、言葉に力があります。
大声で話すわけではありません。
普通の声でも語尾がはっきりしていて、しっかり私の顔を見て話すことができます。
一方で、薬を習慣的に服用している人は目や表情に力がなく、口調にもぼんやりした印象がつきまといます。
医者ではなくても、この差は日常生活の中でも発見できるはずです。
お腹周りが「たっぷり」しているおじいちゃん、おばあちゃんは総じて元気でよくしゃべります。
血糖や死亡を悪者にすることの危険性
しかし、これは医学的にも説明ができることです。
血糖や脂肪は人のエネルギーを作り出す上で欠かせません。
血圧もまた生命維持に不可欠な血液を全身に送り込むために必要な機能です。
血圧が低すぎれば血中に含まれる酸素やブドウ糖が脳や臓器に行き渡らず、エネルギーが枯渇してしまいます。
駅のホームや階段などで立ちくらみがして座り込んでしまう人をたまに見かけます。
原因はさまざまですが、血糖や血圧が低すぎるためにエネルギーが不足していることは十分、考えられます。
とくに60代以降は、これは非常に危険なことで立ちくらみから転倒してしまうと、骨折を起こしかねません。
降圧剤で頭がボーッとしてしまうケースはめずらしいことではなくて、高齢者に接するヘルパーさんが「転倒予防」を最大限に心がけている裏には、降圧剤を飲んでいる高齢者が「転びやすい」という一面を抱えているからです。
血糖値や血圧、コレステロール値は、ただ低ければいいと考えるのはとても危険です。
検査で前回よりも少しでも低いとうれしそうな顔をする高齢者が少なくありません。
そろそろ考え方を変えたいものです。
「いつまでもハツラツ脳の人 より」
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
ハーバード大学が20年にもわたって行なった調査によると、激しい怒りの後には、急性心筋梗塞や狭心症などの心臓発作を起こすリスクが4.7倍まで急上昇するそうです。
ただ、血管に悪いとわかっても、怒りや嫉妬といった感情は自然に湧き上がってくるもの。
完全になくすということはできません。
避けることはできないのなら、湧き起こってきた怒りを以下に鎮めるか、ストレスが持続しないように、いかに発散するかが大事です。
カーッと頭に血が上ったとき、簡単にできるリラックス法が、息を吐くということ。
ふーっと腹式呼吸で息を吐くと、副交感神経の働きを強めてくれます。
オフィスでも、どこでもすぐにできるのでおすすめです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB群は、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
ビタミンB12について?