第2章 トラブルは「リカバリーしない」と決める
何か問題が起こったとき、たいていの人は「なんとかしなきゃ」「どうしたらうまく収められるだろう」と考えます。
しかし、このとき最初に考えるべきは「自分で何とかできる問題か、自分ではどうにもならない問題か」です。
どんなに深刻な問題でも「自分ではどうにもならない問題」であれば、考えても仕方ありません。
そんなに簡単に気持ちを切り替えられないと思いますが、そういう人こそ「これは自分ではどうにもならない問題だ」と声に出していってみてください。
それだけでも、気持ちが多少は落ち着きます。
そして、ここでお伝えしたいのは「リカバリーしないと決める」です。
特に対人関係の問題では、なんとかリカバリーしようと思ってやったことが、かえって状況を悪化させることはよくあります。
本当に謝る必要があるときは誠実に謝ればいいと思いますが、実際には「リカバリーしない」と決めるのも悪くない方法です。
「何もしない」が最善であることは本当によくあります。
漫画が好きでよく読むのですが、「ビッグコミックオリジナル」に『卑弥呼』の物語が連載されています。
そこで出てきたエピソードにこんなものがありました。
卑弥呼がある意思決定をする際、賛成派と反対派の意見が飛び交う中「じっと待つことが重要だ」と意思決定を保留にして、別の意見をいう第三者の登場を待つというもの。
そこで「どちらが“本当”の真か」を見極められるという教えです。
「リカバリーしない」とは少し状況が違いますが、特に何もせず、状況が変わるのを待つ。
これも大事な決断のひとつです。
大事なのは「決断しない」ではなく、「リカバリーしない」「何もしない」と決めることです。
状況は何も変わりませんが、そう決めた瞬間から自律神経は整ってくるものです。
「はじめる習慣 より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
B群は協力しあっていますから、どれが欠けても疲れやすくなります。
そして、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?