第8章 「適度な負荷のトレーニング」で筋力を鍛える
第8章 「適度な負荷のトレーニング」で筋力を鍛える
「アイソメトリックトレーニング」という言葉をご存じでしょうか。
これは、筋肉の長さを変えないまま一定の負荷をかけ続けるトレーニングです。
そもそも「アイソメトリック」とは「等尺性」「等長性」などと訳され「同じ長さ」という意味を持ちます。
一般的な腕立て伏せや懸垂の場合、腕を曲げたり、伸ばしたりすることで筋力を鍛えます。
すなわち筋肉の長さが変わっているのです。
一方、仰向けに寝転がり、両足を数センチ上げた状態でキープすると腹筋に負荷がかかるでしょう。
この場合、ずっと同じ姿勢をキープしているので筋肉の長さは変わりません。
これがアイソメトリックトレーニングです。
ここでおすすめするのは、あまり負荷がかかりすぎないアイソメトリックトレーニングです。
たとえば、自分の胸の前で両手のひらを合わせて、両方から押し込むようにするトレーニング。
この状態をキープすることで胸や腕の筋肉が鍛えられます。
あるいは、壁に寄りかかって、いわゆる「空気椅子」のような状態で(あまり深くひざは曲げずに)背中でグッと押しているだけで太ももの筋肉が鍛えられます。
こうしたトレーニングは大きな負荷をかけないためケガのリスクは低いですし、まったくお金もかからず、どこでもやることができます。
職場などでイスに座っているときは、両手で片方のヒザを上から押さえつけながら、足を上げようとすると太ももに適度な負荷がかかります。
回数や時間に決まりはありませんが、無理のない範囲で、仕事や家事の合間など「同じ姿勢でちょっと疲れたな」と感じたときにやるのがおすすめです。
簡単にやれますし、筋力が鍛えられると同時に、血流もよくなるのでぜひはじめてみてください。
「はじめる習慣 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。
ビタミンB12について?