長生きの合言葉は「きん・こつ・けつ・のう・ちょう」
【きん(筋肉)】筋肉をつくり、フレイルにならないたんぱく質いっぱいの生活
40歳を過ぎると、毎年1%ずつ筋肉が減っていくといわれています。
そうなると恐いのが、フレイルです。
フレイルとは、筋肉のおとろえにより心身の働きが弱くなった「虚弱」の状態で、65歳以上の8.7%がフレイル、40.8%がプレフレイル(フレイル予備軍)というデータもあるほど身近な症状*。
*東京都健康長寿医療センター研究所が2020年に発表
じつに、65歳以上の方の半分が、筋肉に不安がある状態なのです。
フレイルを放っておけば、要介護へまっしぐら。
とくに女性はフレイルの割合が高いため、筋肉の材料であるたんぱく質を積極的にとる必要があります。
たんぱく質をしっかりとること、すなわち「たん活」は、食事術の基本にして極意。
とくに、朝のたんぱく質は効率よく筋肉に変わってくれます。
これを「朝たん」と名づけ、全国に広めていきたいと思っています。
肉、魚、卵などおなじみの食材でかまいません。
毎日、体重×1.2gのたんぱく質をとりましょう。
3食でバランスよくとることが基本ですが、食間に「こまめに」とることも大切です。
チーズやナッツなどの「たん活おやつ」や、秘伝の味つけ卵もぜひ試してみてください。
★ウーロン茶に漬けた「減塩味つけ卵」
ウーロン茶とめんつゆを5:1の割合でまぜた液に、ゆで卵を1日漬けるだけ。
めんつゆの量を減らしているので、普通の味つけ卵より塩分を減らせるし、しっかり茶色がつくことで視覚的にも減塩につながります。
作り置きすれば、冷蔵庫で2~3日は保存できますよ。
3食に手軽に添えられるし、めんつゆが効いて、ちゃんとおいしい!
「たん活おやつ」にもぴったりだし、運動の前後にプロテインがわりに食べてもいいですね。
人気の、たん活・脳活の飛び道具です。
<分量の目安>
ゆで卵…6個
3倍濃縮めんつゆ…60ml
ウーロン茶…300ml
【きん(筋肉)】の長生き3大原則
1 朝のたんぱく質で「朝たん」生活
2 たんぱく質は1日に体重×1.2g
3 3食+αで「こまめに」とる
筋肉づくりで大切なのは、食事でまんべんなくたんぱく質をとること。
朝にヨーグルトやチーズを食べたり、おやつのおせんべいを大豆食品や乳製品に替えたり、日々のこまめな「たん活」が良質な筋肉をつくります。
まだ間に合う!フレイルチェック
□立つときに「よいしょ」と言う
□ペットボトルのふたがあけにくい
□以前に比べて疲れやすい
□前を歩く人を追い抜けない
□1年で体重が2~3kg減った
1つでも当てはまったらプレフレイル、3つ以上当てはまったらフレイルの可能性が高い状態。
とくに、握力低下と肥満が同時進行している「サルコペニア肥満」の人は、認知症のリスクが6倍も高まるという調査も**。
**2022年順天堂大学の調査報告より。BMI(体格指数)が25以上の肥満、かつ握力が男性28kg、女性18kg未満の「サルコペニア肥満」の場合
「鎌田式 長生き食事術 より」
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血管力を高める食事は、炭水化物(糖)、塩分を少なめに、HDLコレステロール値を上げる食材を選ぶのが基本です。
これに外せないものが、たんぱく質を十分に摂る食事を心がけることです。
血管はアミノ酸、たんぱく質とコレステロールなどの脂質によってつくられます。
アミノ酸は普通の食事をしていれば十分にとれるので、動物性たんぱく質を意識しましょう。
たんぱく質はとくに血管中膜の結合を強くします。
動脈壁そのものを強くするので、脳出血などを防ぎます。
各栄養素にはそれぞれ役割があり、互いに作用し合って初めて「栄養」として働きます。
多種類の栄養素が機能を発揮し、効率よく利用されるしくみがヒトの体には整っています。
たとえば、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB群などが必要で、ビタミンB群が活性化するには各種のアミノ酸やミネラルが必要、…というように、栄養素を利用するにはほかの栄養素の働きが不可欠です。
よく、ヒトは1人では生きられないといいますが、栄養素もひとつだけでは機能しません。
ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?