第5章 上手に減塩するための6つのポイント
「塩分を減らしたほうがいいことはわかった。でも、どうやって減らせばいいの?」と思われることでしょう。
そこで、具体的な減塩のポイントを6つ紹介します。
1.インスタント食品、加工食品をできるだけ控える
インスタント食品や加工食品には、総じて多くの塩分が使われています。
可能なら、1日1食までにとどめておいたほうがいいです。
食品には「食塩相当量」として塩分表示があります。
インスタント食品や加工食品のパッケージには、どのくらいの塩分が含まれているか表示されているのです。
その塩分量をチェックするようにすれば、自然に控えめにしようという気になるでしょう。
たとえば、カップ麺やインスタントラーメンでは1杯に5g以上の塩分が入っているので、推奨される1日の塩分量のほとんどを摂取してしまいます(含まれる塩分量は例であり、製品によって差があります。以下同)。
加工食品の袋に表示されている「ナトリウム量」からも、塩分量を割り出すことができるので、参考までにその計算式を紹介しましょう。
◎ナトリウム量(mg)×2.54÷1000=食塩相当量(g)
計算が面倒かもしれませんが、たとえば「ナトリウム量600mg」という表示がある場合は、「600×2.54÷1000=1.524g」の塩分が含まれていると計算できます。
2.家庭では「うま味」を活かして薄味で調理する
出汁などのうま味を効かせれば、塩分が控えめでも、美味しくて満足感のある料理に仕上がります。
また、薬味やスパイス、柑橘類の酸味などを適度に利用すると、いつもより薄味でも満足度が高まる調理ができるようになります。
3.「減塩」タイプの調味料を使う
減塩の重要性が知られるようになり、減塩タイプの調味料が多数市販されています。
なかでも減塩タイプを選びたいのは、「みそ」「しょう油」です。
信州みそ大さじ1杯は塩分2.2gほど、薄口しょうゆ大さじ1杯は塩分2.9gを含んでいます。
少し古いデータですが、1990年代に行われた調査(INTERMAP研究=40~59歳の男女合計1145人が対象では、日本人は1日に摂取しているナトリウムの約20%をしょう油、約10%をみそからとっていたそうです。
4.みそ汁は具だくさんにする
みそ汁に含まれる塩分は1杯1.2~1.5機程度(コンビニなどで買えるインスタントみそ汁には1杯2.0g以上の塩分を含むものもあります)。
具だくさんにすると汁気が減らせますし、ホウレンソウ・大根・ナス・ワカメ・豆腐といった定番の具材には、ナトリウムの排出作用が高い「カリウム」が多く含まれています。
5.漬け物、梅干し、生ハムなどを控える
日本人が好きな食品には、塩分過多のものが多くあります。
主食のごはんには、塩辛い食品がよく合うからです。
たとえば、梅干し1個(10g)2.0g、からし明太子1本(40g)2.2g、塩鮭一切れ(80g)1.4gの塩分をそれぞれ含んでいます。
この他にも、生ハム長期熟成タイプ2枚(30g)1.6g、プロセスチーズ1個(20g)0.6g、チキンコンソメ1個(5.0g)2.2g、カレールー1食分(20g)2.0gの塩分をそれぞれ含んでいますから、これらの食品はなるべく摂取量を減らすように心がけたほうがいいでしょう。
6.麺類のつゆは残す
麺類は塩分が多めです。
前述のようにカップ麺やインスタントラーメンは1杯5g以上、チェーン店のラーメンだと1杯6g以上の塩分を含むものもあります。
麺類が好物なのに、認知症につながる高血圧が怖いからといって、この先一生食べないというのも寂しいものです。
そこで麺類を食べるときは、つゆ(スープ)を残すようにするといいでしょう。
麺類の塩分の多くは、スープに含まれています。
スープを残すだけで、かなりの減塩ができると考えられます。
――以上6つのポイントが全部守れたら、かなりの「減塩効果≒降圧作用」が期待できます。
1つでも実行できたら、その小さな成功体験をモチベーションにしながら、他のポイントにもトライしてみてください。
※ポイント まずは、6つのポイントからできそうなものを1つ試してみましょう
「一生ボケない習慣 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、活性酸素やホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。
ビタミンB12について?