内分泌・代謝の病気③(肥満、やせ)にはこんな栄養成分が必要

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内分泌・代謝の病気③(肥満、やせ)にはこんな栄養成分が必要
 
≪肥満≫
 
肥満とは、からだに過剰な脂肪が蓄積している状態をいいます。
肥満のほとんどが、過食と運動不足が原因で、単純性肥満と呼ばれます。
現在の体重を、標準体重=(身長cm÷100)×(身長cm÷100)×22――と比較して、10%以上は要注意です。
 
肥満は、大なり小なり生活習慣病の元凶。
太りすぎると糖尿病、高血圧、高脂血症動脈硬化脂肪肝高尿酸血症、過少月経やや無月経不妊症などを合併しやすく、さらに、子宮内膜がんや乳がんの発生率も高くなります。
 
ダイエットは、からだをよく動かすことを前提として、男性の場合は1日の総摂取エネルギー量を14001800Kcal、女性の場合は12001600Kcalに制限します。
タンパク質は6080g、脂質は調味料として大さじ12、糖質は1日最低100gは摂取するようにします。
ビタミン、ミネラル、食物繊維は充分に確保しましょう。
エネルギーは制限しても、必要な栄養素はバランスよくとることが大事です。
 
●肥満に効く栄養成分
食物繊維 カプサイシン ギムネマ酸 ビタミンA・B1・B2・B6・C・E パントテン酸 レシチン ミネラル カルニチン テアニン
 
1日の食事の回数が少なくなるほど太りやすくなります。
食事と食事の間隔が長くなると、どうしても1回の摂取量が多くなり、体内での吸収もよくなります。
食事は13回きちんととりましょう。
 
朝と昼の食事を重く、夜は軽くします。
夜のまとめ食い、また深夜の夜食は厳禁です。
 
制限されたエネルギーのなかで、ビタミン・ミネラルを確保するコツは、できるだけいろいろな食品をとる、間食に牛乳1本と果物をとる、緑黄色野菜をとる、食物繊維を多く含む食品をとる、などです。
 
食事はゆっくり食べましょう。
食後の血液成分の変化が間脳にある食欲中枢に作用して食欲にブレーキをかけますが、早食いは食欲のブレーキがかかる前に食べ終えてしまうため、過食になりがちです。
 
≪やせ≫
 
からだの脂肪が著しく減少した状態のことで、標準体重より10%以上の減少をいいます。
体重がほぼ一定しているのなら、健康状態といえます。
問題なのは、2年以内に急にやせてきたという場合です。
消化器疾患、糖尿病、副腎皮質や視床下部の障害、神経性食欲不振症、うつ病、がん、感染症などの病気が原因ということもあるので、よく調べることが大切です。
 
●やせに効く栄養成分
糖質 カゼイン β-カゾモルフィン グルテンペプチド(エクソルフィン) γ-リノレン酸
 
少量で高いエネルギーを摂取できるのは脂肪ですが、動物性脂肪のとりすぎは避けましょう。
やせていても高脂血症という場合もあります。
 
やせている人は、胃腸の弱い人が多いので、食物繊維のように消化の悪いものは控えめにします。
ごぼう、たけのこ、海藻、きのこなどは、低エネルギー食品でもあるので、太るためには多食を避けたい食品です。
「からだに効く栄養成分バイブル より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
一般にビタミンB群は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12、B6葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。

現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。

また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。

ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には広く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。

ただし、おもしろいことに、納豆やみそ、たくあんなど、日本に古くからある保存食には、植物性でも例外的にビタミンB12が含まれています。
これは、発酵の過程でビタミンB12が作られるためと考えられます。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。

ビタミンB12について