家族主義から個人主義になって何が失われたのか

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家族主義から個人主義になって何が失われたのか
 
第二次世界大戦の敗戦前までの日本の下町の住まいは、まだ江戸時代の文化を引き継いでいたのでしょう。
戦後(昭和20年以後)、日本人はアメリカ文化に憧れ、手本にして、生活の中にアメリカ的なものをどんどん導入しました。
しかし、戦後でも、高度経済成長の昭和30年代の頃までは、日本全体はまだまだ貧しかったものです。
 
貧乏だったせいもありますが、マッチ箱といわれるような狭い家で、それぞれの個室も、子ども部屋などというものもありませんでした。
畳の部屋が昼間は卓袱台が置かれ、居間にもなり、食堂にもなり、夜は卓袱台を片づけ布団を敷いて寝室になったのです。
そして子どもを真ん中にして親子が川の字になって眠りました。
 
家族同士の空間的な距離が狭く、多少煩わしいところもありましたが、つねにグルーミングをし合っているような生活環境でした。
地方は別にして都会では、そんな生活をしていた人が多かったのです。
 
しかし、日本全体が豊かになるとともに、憧れのアメリカン・スタイルの生活を実現できるようになりました。
その結果、どの家もダイニングキッチン、リビングルームがあって、夫婦の寝室、子供たちの個室というように、洋室ばかりで畳の部屋がほとんどない生活になってしまいました。
 
たしかに豊かになり、それぞれが個室を持ち、以前よりも広い空間を持てるようになったのですが、それだけ人と人との距離が開いてしまったということもできます。
 
いまのようにうつ病がふえてきたのは、同じ家の中にいても、家族がそれぞれ個室に閉じこもってしまうような環境に変わったことも一つの要因ではないかと思います。
家族主義から個人主義になったことが大きいのです。
 
家族主義は伝統的な日本文化です。
それに対して、個人主義西欧文化です。
戦後日本は伝統的な日本文化の多くを否定して、西欧的な個人主義をよしとして、思想としても生活としても取り入れてきたのです。
それは明治維新からですが、西欧的な生活が人々に浸透したのは、やはり戦後です。
 
個人主義能力主義、そしてすべてをおカネに換算する価値観に結びつきます。
個人主義はまさにドーパミン的なのです。
 
能力が高ければたくさんおカネを得ることができる、たくさんおカネがあれば何でも欲しいモノを買うことができ、それだけ満足度が大きい生活ができるともいえます。
おカネだけで幸せになることができるわけではありませんが、おカネがなくて欲しいものが手に入らなければ、不満がたまります。
 
そうした価値観をすべて否定するわけではありません。
いまのような生活必需品にこと欠かず、モノがあふれる社会で生活していくには、誰でもが、ある程度欲しいモノ、やりたいことができる程度のおカネは、手に入れたいものです。
そして、欲しいモノを手に入れるために、自分の能力を高め発揮するように努力するのは、必要なことですし、いいことです。
ただし、それが行き過ぎてしまったのが、いまの日本なのではないでしょうか。
「心も脳も元気になるストレス整理術! より」
 
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私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
 
神経伝達物質の材料になる成分を補うことが大切です
仕事がたまっていたり、疲れていたりするときに、自分の思いどおりに物事が進まないと、イライラしやすくなります。
また、つねにイライラしやすく、状況によってキレやすくなるという人もいます。
こうしたイライラの原因は、脳の神経を伝達する機能の低下によって、脳の緊張・興奮状態が過剰になっているのではないかと考えられています。

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
 
◆ビタミンB12とは…?◆
ビタミンB12の研究初期は、ビタミンB12といえば悪性貧血、悪性貧血といえばビタミンB12といわれました。
しかし、現在のビタミンB12は、神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。
末梢神経の不調 ―手足の痺れ・麻痺・痛みなど― はもちろん、中枢神経 ―脳・脊髄― の機能低下にも有効であることが明らかになっています。
 
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
 
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
ビタミンB12は腸で吸収されます。
しかし、その前に胃の内因子と結合することで吸収される状態を作っているため、胃を切除している人などの場合は、胃の内因子なしで吸収されるために大量のビタミンB12を補給する必要があります。
胃の粘膜が萎縮している人や、胃の働きが弱い人も同様です。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
ビタミンB12について