偏食家はボケやすい

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偏食家はボケやすい
 
食事の取り方と認知症の関連について、浴風会病院の篠原恒樹氏らが行った研究をご紹介しましょう。
 
この研究では、入院中の各種認知症患者49(アルツハイマー11例、脳血管性認知症22例、混合型認知症11例、その他特殊型5)を、認知症のない脳卒中後遺症例や心疾患例など50例と比較したものです。
 
食事の取り方については、認知症患者の場合は、本人が4050歳代だった時の生活スタイルを最も熟知している人からヒアリングし、対照グループで本人からもヒアリングを行っています(なお、対照グループでの聞きとりは、本人からのものと本人を熟知している人との内容は8割程度一致しています)
 
調査の内容は、次の5項目目です。
 
     生活暦
     家族暦
     医学的既往歴
     社会・心理的背景
     過去の食生活
 
結果としてわかったことは、認知症のグループは、非認知症のグループに比べて、明らかに「甘い菓子類」「甘味飲物」「塩・醤油」を多くとっていたことでした。
 
また、食事の嗜好では、「塩味」「甘味」「冷たいもの」が非常に好まれていたようです。
食べ方では「腹一杯食べた」「一日の中で夕食に最も多く食べた」という回答が多かったとのことです。
 
体格についても、認知症の方に「肥満であった」という回答が多かったという結果が出ています。
 
認知症のグループの中では、アルツハイマー病の患者さんは、混合型認知症・脳血管性認知症よりも「卵」や「牛乳」を高頻度に摂食した例が少ない、という結果が出ています。
 
この研究では、認知症に深く関係があると思われる食生活でも、アルツハイマー病にだけ、あるいは脳血管性認知症にだけ関与するものもあり、総合的に認知症との関連を検討する必要があると指摘しています。
 
また植木彰氏は、アルツハイマー病と食生活の関連を調査し、さらに海外の研究成績を紹介しています。
この調査によりますと、アルツハイマー病と脳血管性認知症の患者には、明らかな食生活の異常が認められているとのことです。
 
この食生活の異常は、大きく分けると次の3つのパターンになります。
 
●極端な偏食
「野菜はほとんどあるいは全く食べない」「魚より肉を好む」「甘いものが好きでケーキ、菓子、アメなどを一日中食べる」など
 
●極端な過食
男性に顕著で、「必要とするエネルギーより2535%以上多く摂食」「摂取するエネルギー源の大部分が糖質(炭水化物)」「副食物の摂取が少ないためビタミン・ミネラルが相対的に欠乏」などの特徴が見られます。
 
●極端な少食
女性のアルツハイマー病例に多いようです。
「ほとんど食べない」「食事を抜いても平気である」「菓子類だけで食事をすませることなどが多い」など。
 
そして、もう一つの重要な異常として「砂糖の過剰摂取」が指摘されています。
 
この論文では「甘い菓子を大量に食べる、アメを一日中なめる、おはぎや大福ならば5個ぐらいは食べてしまう、コーヒーに砂糖34杯は入れてしまう、アイスクリームを常に用意して一日56個食べてしまう、羊羹は1本ぐらいすぐ食べてしまう、カリントウを毎晩1袋食べてしまう、なかにはご飯やトコロテンまで砂糖をかけて食べてしまうなどの多くの事例が見られる」と指摘しています。
 
ヒアリングの結果、これらの食行動の異常は、認知症発症後に極端になることはあるものの、多くの場合、青年期・壮年期から既にこの傾向があったことが確認されています。
「ボケる人、ボケない人の生活習慣 より」
 
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≪ビタミンB12の老化防止効果≫
 
食べ物に含まれるビタミンB12は、そのままの形では吸収されません。
胃から分泌された内因子と結合する必要があるのです。
このために胃を切除した人では、ビタミンB12が欠乏して貧血をおこすことがあります。
 
また、現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。

ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働きます。
また、ビタミンB群はバランス良く摂ることで相乗効果を発揮します。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
生活習慣を変えるとともに栄養面の改善も非常に大切です。
 
ビタミンB12について