循環機能を高める③握る力-ギュッと握って全身の力をアップ-

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循環機能を高める③握る力-ギュッと握って全身の力をアップ-
 
◎マラソン選手のスピードが落ちたワケ
 
保育園や幼稚園で子どもたちに親しまれている「むすんでひらいて」というお遊戯があります。
じつは、この「握る―離す」という手の運動は、血液循環ときわめて深い関係があります。
 
ある女子マラソン大会で、トップを走っていた選手が、ゴールが近いと思ったのか、アームウォーマーを外しました。
すると、みるみるスピードが落ちていったのです。
勘違いに気づいたときは手遅れでした。
レースの最終局面で、いったん落ちたスピードを取り戻せる体力は残っておらず、程なくトップの座を明け渡したのです。
 
前腕には、指先や足先などに多く見られる、動静脈吻合という特殊な循環ルートがあります。
動脈と静脈が毛細血管を経由せずに、直接結びついているのです。
毛細血管を経由しないのは、時間を節約するためです。
栄養分の補給や老廃物の除去を多少無視しても、温かい血液を届け、その温度で筋肉群の働きを活発にさせようとするのです。
 
前出の選手は、アームウォーマーを外したため、血管を温めることができなくなり、血管が収縮して血液が十分に循環しなくなったことが原因で、筋肉の力が抜けてしまったのです。
 
◎高齢者の転倒防止にも握る力が必要
 
腕の動きが悪くなり、拳を握るという「はずみ」が失われると、筋肉は力を出すことができなくなります。
筋肉は、屋根の瓦のように、一部が互いに重なるような構造になっています。
そのため、「はずみ」を失うと、上肢の筋肉の力が弱くなり、重なり部分を通じて、その波紋が全身の筋肉に広がって力が弱くなるのです。
 
逆に、握る力がしっかりしていると、腕にある動静脈吻合が働いて、その力が全身におよびます。
循環は元気いっぱい、全身を駆けめぐります。
 
高齢者がいちばん気をつけなければならないのは転倒ですが、握力が十分にあれば、転倒しそうになっても何かにしっかりつかまって体を支えることができます。
 
タオルや新聞を丸めたもの、またはスリコギを使って、握る訓練を続けてください。
血液が全身を駆けめぐり、ホカホカと暖かくなりますよ。
「詰まらない破れない 血管を強くする本 より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
 
現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。

脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成、核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
 
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