あなたの気分は?

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あなたの気分は?
 
うつは、かかっているとか、かかっていないとかいうタイプの病気ではありません。
わたしたちの「感情」あるいは「気分」は、機嫌のいい状態からひどい落胆までの範囲のどこかに位置します。
 
ただしアメリカ精神医学会が作成しわが国でも採用されている診断マニュアル(DSM-)によれば、悲しみや落胆、興味や喜びの喪失、体重の減少や増加、睡眠障害、あせり、疲労感など九つの症状がかかげられ、このうち五つの症状が少なくとも二週間つづくと「うつ病」と診断されることになっています。
要するに、不幸で落ち込んだ気分に二週間ひたればうつ病と判定されます。
 
寝床から起き上がることができないほど深刻なうつ病患者は少数派で、多くは軽症のうつ病です。
ここでは、深刻な「うつ病」ではなく、軽症のうつであることから「うつ」と表現します。
 
一生のうちに一度は「うつ病」にかかる割合は、女性は1025パーセント、男性は512パーセントと見積もられています。
また、WHOの推計によると、日本人のうつ病患者は人口の46パーセントとされていますから、約80720万人がうつ病に苦しんでいることになります。
 
現在、わが国には500万人のうつ病患者が存在すると見積もられています。
ですが、この数値は日照時間の少なくなる冬に増加する傾向にあります。
季節性うつ病とか、ウインターブルーなどと呼ばれている、うつです。
 
わたしたちの多くは、気分が低調だと嘆いたりしますが、みずからを「うつ病」と考えることもなければ、治療を受けるために病院を訪ねようとは思いません。
 
心の病というほどではありませんが、「気分が低迷」、「ブルー」の状態にある人は多いに違いありません。
この心の状態が「うつ」です。
うつで毎日を送るより、幸福を感じ、やる気に満ちた人生を歩みたいものです。
 
まず、あなたの気分がどんな状態なのかを調べてみましょう。
以下の問いにあてはまれば□にチェックし、その数を点数とします。
 
□ 朝、気分が悪いことが多いですか?
□ しばしば、がっかりすることがありますか?
□ 一日がはじまるのが嫌なことがありますか?
□ 夜、眠りにつきにくかったり、夜中に起きたりしますか?
□ イライラしたり、怒ることが多いですか?
□ 以前は習慣的にしていたことを、今はするのにかなりの努力を要しますか?
□ 人とのかかわりを避け、孤独でいたいと思いますか?
□ 食欲はありますか?
□ ダイエット中でもないのに体重が落ちていますか?
□ あなたは、みずからを魅力的でないとか、愛されてないと思いますか?
□ 意思決定ができないことがありますか?
□ 以前なら楽しかった活動が今ではそれほど楽しいと感じませんか?
□ 恐いと感じることが多いですか?
□ 未来について希望がもてないと思いますか?
 
1~4点 : 時々、ややブルーな気分になることはあっても、あなたは正常といえます。よい気分を維持してほしいと思います。
5~10点 : 気分を押し上げる必要があります。
11点以上 : あなたはうつ状態にあります。
「食べ物を変えれば脳が変わる より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

 イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
一般にビタミンB群は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12、B6葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。

 現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。

 また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。

 ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には広く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
ただし、おもしろいことに、納豆やみそ、たくあんなど、日本に古くからある保存食には、植物性でも例外的にビタミンB12が含まれています。
これは、発酵の過程でビタミンB12が作られるためと考えられます。
 
ビタミンB12が十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
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