血の質と量が、「若さ」や「寿命」を決めている

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血の質と量が、「若さ」や「寿命」を決めている
 
貧血の心配は全然ないから大丈夫、よかった。
 
そんなふうに思った人もいるかもしれません。
 
しかし、簡単に安心しないでほしいのです。
漢方でいう血が足りない「血虚」というのは、単純に貧血という意味ではなく、血の質が悪くなっていることも意味しています。
 
以前、ある70代の女性が相談にいらっしゃいました。
「耳が聞こえにくい」「めまいがする」ということで来られたので、耳鳴りやめまいの症状を改善する漢方をお出ししました。
しかし、それがまったく効かず、どうしたらいいのだろうと困ってしまっていたのです。
 
ある日、疲れがあるということだったので、たまたまタンパク質の栄養剤をお渡ししたところ、「疲れなくなった」「朝の目覚めがよくなった」と喜んでいました。
そしてしばらくして、
「いや~、耳が聞こえるようになった」と言われたのです。
一人暮らしということもあって、食事がスーパーやコンビニのお惣菜やお弁当ばかりになり、かなり栄養バランスが悪くなっていました。
当初の体質チェックを見ると、血虚もありました。
しかし病院にも定期的に通われていて、貧血もないということだったので、うかつにも安心してしまっていたのです。
 
「耳が聞こえない、めまいがする」という話にばかり気をとられてそこばかり治そうとしていたのが間違いでした。
老化のために耳が聞こえにくかったり、めまいが出ていたりしていたわけでなく、血が足りないために十分な血流が耳に届かず、耳の働きが悪くなっていたのです。
そして、タンパク質不足のために血の質も悪くなっていました。
 
実際にこういったことは少なくありません。
もっと重大な病気でも同じです。
それは、見かけ上の症状や悩みの本当の原因に「血」の問題があるためです。
 
このような栄養不足で血質が悪くなっている状態、そんなことは、お年寄りの一人暮らしだから起こることで、自分にあまり関係ないと思うかもしれません。
 
しかし、お年寄りに起きていることが、若い方にも同じように起きています。
 
現在、日本では食事の内容が急速に悪化しています。
とくにの原料となり、血の質を支えるタンパク質の量の落ち込みはすさまじいものがあります。
戦後一貫して増えてきたタンパク質の1日あたりの摂取量は、平成7年にピークの81.5gを記録したあとに減りつづけ、平成23年には、まだ食糧不足が残っていた戦後の昭和25年よりも少なくなってしまっています。
 
 血液というと鉄分ばかりが注目されがちですが、実は水を除くとそのほとんどがタンパク質でできています。
そのためタンパク質をとる量が減れば、すぐに血の質が悪化してしまうのです。
 
 血液中のタンパク質は赤血球以外には主にアルブミンとして存在しますが、このアルブミンは若々しさや長寿に深く関係しています。
そのため「余命の余地因子」とも呼ばれていて、アルブミンが少ないひとは寿命が短く、多いひとは長寿であることも知られています。
血の質は現在の健康はもちろんのこと、若さや将来の自分の寿命にも大きな影響を与えています。
 
質のよい血でいることは、「今」のためでなく、将来にとっても大切なことなのです。
「血流がすべて解決する より」
 
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ビタミンB12は、悪性貧血のみならず神経や免疫系にも効果があることが明らかになり、高齢者のうつや認知症の予防等に利用されています
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
現在60歳以上の2割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
ビタミンB12は胃の内因子という糖たんばくと結合し吸収されますが、年齢とともに胃が小さくなったり胃の状態が悪くなったりして、内因子が
少なくなりビタミンB12の吸収が悪くなってしまうのです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミン12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
萎縮性胃炎など胃の病気などで内因子が作れない場合も吸収が困難になります。
しかし、ビタミンB12は大量に摂ることで浸透圧の原理による押し込み効果によって胃の内因子と関係なく吸収されることが分かっています。
吸収率を高めるビタミンB12摂取量の目安は1000μg(マイクログラム)以上と考えられています。
 
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミン12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミン12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
さらに、主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
 
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