血管が破れる病気

イメージ 1
血管が破れる病気
 
血管が破れるリスク
□ 血圧が高い(とくに下の血圧が90mmHg以上)
□ 背中やお腹が痛い
□ あお向けになると、へその下あたりに脈を打つしこりに触れる
 
 血管が破れる病気はなぜ大動脈に起こりやすいのでしょうか?
 
 血圧は心臓からの血液の拍出量と血管の硬さ(抵抗)によって決まります。
ただ、動脈硬化がないとしても、心臓につながる大動脈のほうが小動脈より血圧が高いとは言えません。
長年、圧がかかっていると血管の分岐部や屈曲している場所には乱流が起きやすく、それによって血管壁の弾性が不均一になるからです。
 
 血管の硬さが不均一になるのがよくないかと言うと、やわらかい部分には、血液が一気に流れ込み、圧がかかり膨れ出すからです。
これを動脈瘤と言います。
 
 さらに、動脈硬化が進んでいると、やわらかい部分も弾性を失っているので、血管が収縮するうちにだんだんと血管壁が薄く弱くなってしまいます。
 
 動脈瘤は一度できてしまうと自然に小さくなることはありません
気づかないうちにどんどん膨らんでいつか破裂します。
 
 大動脈では動脈瘤が直径5センチメートル以上に膨らむこともあります。
仰向けに寝てお腹を触ってみてください。
動脈瘤のある人はボッとボッと鼓動を感じるはずです(肥満の方は感じにくい)。
 
 大動脈瘤が破裂すると3人に2人は助かりません。
自覚症状がまったくなく、急にお腹や腰に激痛が走ります。
緊急手術が必要です。
 
 また、動脈瘤ができると起こりやすいのが動脈解離です。
内幕が肥厚して一部に亀裂が入ると、そこに血が入り込んでしまうことがあります。
内膜と外膜の間に血が溜まって解離してしまうのです。
 
 はがれていった内膜は血管を塞ぎ、血流が滞ります。
最悪ははがれて薄くなった部分に圧がかかることによって破裂してしまうことです。
 
 動脈瘤や動脈解離はどこでも起こり得ます。
もし脳の動脈が破裂したら脳出血になります。
 
 大動脈解離は、発症後48時間以内に50パーセント、1週間以内に70パーセント、2週間以内に80パーセントが死亡してしまう恐ろしい病気です。
 
 大動脈瘤は直径5センチメートル以上になると手術をします。
動脈瘤を切除して人工血管で置換します。
 
 ただ10年ほど前からはステントが使われ出しました。
金属の網を入れて、血管を内側から保護しながら血流が流れるようにするものです。
 
 ステント治療ができるのは中動脈までです。
網目状の金属を血液が通過するわけですから、血栓ができやすくなります
ステント治療をしたあとは、とくに血液をさらさらにする努力が必要です
 
小動脈では血栓がすぐに詰まってしまうので、ステントは使いません。
バイパス手術をおこないます。
 
また動脈瘤や動脈解離が大動脈弓部に起こっているとすぐ近くで頸動脈や上腕動脈につながる重要な動脈が枝分かれしている場合があります。
このときには弓部をステントで治療して頸動脈や腕頭動脈には人口血管でバイパス手術をします。
これをハイブリッド手術と呼びます。
 
動脈瘤や大動脈解離は血管に高い圧がかかることで起こります。
塩分過多の食生活で、血圧が高めの日本人に多い病気です。
 
血圧が高めの方は1年に1回は病院で胸や腹部のCT検査を受けることをお勧めします
大動脈解離ができていないか、大動脈瘤ができていないか、大動脈の石灰化が起こっていないかをチェックできます。
老いるほど血管が強くなる健康法 より」
 
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
 
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
 
近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割程度にしか高コレステロール血症が見られないことから、これまで長い間、コレステロール以外に動脈硬化の原因となるものがあるのではないかと考えられていました。
そうして、ホモシステインがそのひとつの原因だと注目を集めるようになりました。
このホモシステインが動脈の壁に沈着すると、酸化される過程で血栓を引き起こし、血管を傷害して動脈硬化を引き起こすのです。
ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。
 
もしビタミンB群のビタミンB12・B6や葉酸があれば、ホモシステインは分解されます。
さらに、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12には、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を少なくする働きがあります。
 
また、ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若返りにもつながると考えられます。
 
ちょっと使える身近な情報をお届けしています!